今昔物語 齊藤佳穂 VOL.2

前回は、周りに迷惑をかけないようにと誓った幼稚園時代のお話でした。
今回は、自立の方向を間違えた小学生時代の話をしていきます。

幼稚園時代の経験を経て、自分はいるだけで他人に迷惑をかけてしまうから、それ以上迷惑をかけないようにしよう。むしろ人を助けることができるようになりたい!と思うようになりました。
そうして、誰かに守られるよりも守れるような、かっこいい自分を目指すことに。

腰まであった長い髪を切り、母好みで着ていたピンクの服やスカートは、自分がかっこいいと思う黒い服やズボンになりました。
他にも一人称は私から僕や俺に、おいしいをうまい、かっこいいをカッケー、すごいをスゲーなど、言葉遣いも意図的に荒々しいと思うものに変えていきました。

外見や話し方を変えたり、迷惑をかけないようにと気を張って過ごしたりすることで、困ったときに周りを頼る頻度が減ったように思います。
また、なにかが起きたとき、感情を外に出すよりもぐっと歯を食いしばって耐えるようになりました。いやなことがあったときや転んで派手な怪我をしたときも、涙を流すことはほとんどありませんでした。

このように気を張っていたり体調が悪かったりすると、物事に対して過剰に反応することがあります。
不調で通院されている方の中には、今までなんとも思っていなかったことに対してなぜだか不安を感じる方も多いのではないでしょうか。これは、体を守ろうとして起こっている反応です。

私にもこの反応が強く出ており、これからなにか起きる・痛くされそうなことが苦手になりました。
今までなんともなかった注射や歯医者さんが異常に怖く感じるようになり、注射は暴れて危ないので看護師さんに体を押さえられ、歯医者さんは治療にならず、せっかく行ったのに歯を抜かずに帰ったこともありました (担当してくれたお医者さん・看護師さんには足を向けて眠れません...)。

流石にもう暴れませんが、今でも注射と歯医者さんは苦手です。
そのため、どうしても行く必要がある場合は、深呼吸や肩の力を抜くことで体を危険対処モードからリラックスモードに切り替えるなどしています。
すると、恐怖が減ることで気持ちが楽になり、無事その時間を終えることができています。
もし同じようなものがある方は試してみてください。

今回は、自立する方向を間違えて、不安を強く感じるようになった小学生時代のお話でした。
次回は、テニス部で毎日練習に励んでいた中学生時代のお話をしていきます。



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