更新日:2015.08.22
執 筆:整体師 飯島淳
このページでは、高血圧が危険な理由についてお伝えします。
まず、高血圧だと自覚症状が出るといったことがありません。
みんな知らず知らずのうちに高血圧になってしまいます。
このように、高血圧は知らず知らずのうちに忍び寄って来るので、「サイレント・キラー」(沈黙の殺し屋)と呼ばれています。
日本では、30・40代のうち80~90%の人が高血圧未治療とされています。
さらに、50歳でも65%ぐらいだといわれています。
血圧が高い状態がずっと続くと、柔らかい血管が段々と固くなってしまいます。
特に、心臓からの大きな圧が動脈にかかるので、動脈の壁が傷つきます。
この結果、動脈硬化が起こってきます。
動脈硬化が起こると、血液が流れにくくなり、血管が狭くなります。
また、血栓ができて血管内をふさいでしまうといったことが起きます。
血液が酸素や栄養素を運ぶ訳ですから、体の各部分で酸欠や栄養不足が起こってきます。
組織が死んでしまうという、脳梗塞や心筋梗塞といったことが起こります。
血圧が低い人は、脳梗塞発症率が高血圧の人の半分とされています。
高血圧になると、
などの症状を起こす人もいます。
ただ、自覚症状が全く出てこない場合も多いので厄介なものです。
また、高血圧の人は糖尿病になりやすいとされています。
糖尿病の人も、高血圧になりやすいとされています。
どちらが先に分かるかわかりませんが、どちらかの疾患がある人は要注意しておくべきでしょう。
高血圧から起こる合併症と言われるものがいくつかあります。
などが代表的です。
これらは、死に直結してしまう病気にもなりかねません。
気づかずに放っておくということは、非常に危険なのです。
高血圧では、リスクを少なくするために、出来る限り「早期発見・早期治療」をすることがとても重要になってきます。
血圧が上がる要因は、下の二種類が大きく影響してきます。
この二つを調整しているのは、自律神経です。
血液量(心拍出量)が増えるということは、血管にかかる圧力が増えるということです。
急な運動をすると、心臓から遠い血管まで酸素を早く運ぶために、心拍出量が上がって一気に血液を流すようになります。
すると、血液全体の量は増えてはいないものの、血管内で「血液が増えた状態」になるところが出てくるのです。
血圧が上がるもう一つの要因は、血管抵抗です。
血管抵抗とは、血管内で起こる血液の流れへの抵抗のことです。
血液は細い抹消の血管で流れにくくなりますので、血液を流すために強い圧力が必要になってくるのです。
このため、末梢血管は血液の大きな抵抗を受けます。
また、血液はもともと粘りがありますが、血管内はそれほど広くはないため、少しでも詰まったところが出てくると大きな影響を受けます。
血液がドロドロしてくると、血液循環を末梢血管まで良くするために、血圧を上げて血液を強く押し流すことが必要になるからです。
血圧を調整しているのは脳ですが、血圧を感じるセンサーは頸動脈にあります。
血圧が高すぎると、頸動脈は脳の中枢神経系に指令をし、もとに戻そうとします。
その時、自律神経が大きく関与しているのですが、高血圧の状態が長く続くと、血圧を感じるセンサーが悪くなり、血圧が高いまま戻せなくなってしまうのです。
高血圧のタイプは、下の二種類があるといわれています。
本態性高血圧とは、原因の分からない高血圧のことです。
高血圧のうち、90~95%を占めます。
両親共に高血圧の人は、約50%の確率で高血圧になるとされています。
両親共に高血圧でない人は、両親共に高血圧の人に比べて約1/10の確率で高血圧になるとされています。
高血圧の原因としては、遺伝性因子と生活環境因子が大きく関係しているといわれています。
遺伝性因子とは、何らかの病気によって引き起こされる高血圧のことです。
原因がわからないので、即効性のある治療法の特定が難しく、遺伝的因子も多く関係しているといわれています。
原因としては、脳や腎臓・内分泌系や心血管系が考えられます。
塩分の摂り過ぎ・運動不足・肥満・ストレス・飲酒・喫煙など色々とあります。
二次性高血圧とは、何らかの病気に基づく高血圧のことです。
高血圧のうち、5~10%を占めます。
二次性高血圧の原因は、次のようなものです
二次性高血圧の中で多いのは、腎臓機能による病気です。
腎臓はナトリウムを排泄する役割がありますが、腎臓機能が悪いとナトリウムを上手く排泄できなくなり、血圧が上がってしまいます。
血管内の詰まりや炎症といったことで、二次性高血圧の疾患が起こります。
内分泌系とは、ホルモンを作る器官のことです。
この内分泌系が病気になっても、二次性高血圧の疾患が起こります。
二次性高血圧は、まず病気の治療が優先です。
病気が治らないと、高血圧は良くなりません。
以上、高血圧が危険な理由についてお話していきました。
「血圧」