更新日:2017.05.31
執 筆:整体師 橋本静吾
自律神経は、あなたの健康を守る大切な機能では、自律神経の働きと、自律神経の乱れを改善する五大栄養素についてお伝えしました。
自律神経の乱れを改善する五大栄養素は、
です。
これら複数の栄養素をバランスよくとることが重要なのですが、自律神経の乱れによる不調の方が気をつけなければならない点がいくつかあります。
その1つが血糖値です。
血糖値とは血液の中にある糖の量を表す数値です。
食事をした際食べ物に含まれる糖によって血糖値が上がって、しばらくすると下がっていきます。
この血糖値が上がったり下がったりすることが体にとって負担となることがあります。
当院では、患者さんにお菓子やジュースなど砂糖を多く使用した飲食物を控えるよう勧めています。
砂糖は血糖値を急激に上がらせるからです。
血糖値が上がると、すい臓から血糖値を下げるためのホルモンが分泌され、数値が下がります。
この数値が上がったり、下がったりすることは、体の中で変化が起きているということです。
元気な人であれば、調整力という機能がしっかり働いているので、血糖値を安定させることも簡単です。
しかし自律神経が乱れていると調整力がうまく働かないため、数値を下げることが難しくなってしまいます。
甘いものを継続的に過剰に摂りすぎると、一転して逆に数値を下げすぎてしまうこともあるため、低血糖になることもあります。
このような事態を招かないようにするため、なるべく血糖値を急激に変化させないような食生活が重要です。
その上で注目したいのが糖質です。
糖質は穀物、砂糖、芋類に含まれており、人が活動するためのエネルギー源です。
体を車に例えるなら糖質はガソリンにあたる重要な栄養素ですので、摂取するタイミングや量を工夫することで、血糖値を急激に変化させることなくエネルギーを補給することができます。
食事の時は、お味噌汁、野菜料理から食べるようにします。
野菜に含まれる食物繊維を先に食べると、糖質の吸収がゆるやかになるため、血糖値が急に上がるのを防げます。
次に肉、魚、豆腐などタンパク質中心のおかず、最後におかずと一緒にご飯やパンなどの糖質類を食べます。
食べる順番を工夫するだけで血糖値をコントロールできるのでおすすめです。
行儀が悪いかもしれませんが、理論上で言えばおかずやサラダをつまみ食いしておくことでも血糖値の上昇を抑えられます。
また、ご飯を玄米に変えることも有効です。
同じお米でも、玄米は白米よりも血糖値が上がりづらいので、食べる順番を気にしていられない人は玄米食にすると良いでしょう。
※玄米は消化が悪いので、胃腸の弱い人は注意が必要です。
試してみる場合は白米に少し混ぜて炊いたりして少しずつ食べてみてください。
また、しっかり噛んで食べることも大切です。
厚生労働省では、健康の増進を図るために、一口30回噛んで食べるよう提唱しています。
唾液にはアミラーゼという分解酵素が含まれていて特に糖質の消化吸収で重要な働きをしているので唾液がでるように意識することはとても重要です。
自律神経が乱れていると、体が緊張している影響で唾液が出づらいため、口の中が乾いてしまうことが多くあります。
よく噛むことでリラックス感が高まり唾液分泌が促されます。
サッカー選手や野球選手がガムを噛んでいるシーンをよく目にしますが、要は噛むことで気分が落ち着いてリラックスできるということです。
これにはセロトニンというホルモンが大きく関係しています。
セロトニンは、精神を安定させる物質で過剰な興奮、不安、恐怖などを抑制させる役割を担っています。
「噛む」という顎を動かす筋肉のリズム運動がセロトニンの分泌を促すことでリラックスできます。
また、体調不良の時は胃腸の働きが弱っていて消化吸収がうまくできないため、普通に食事をとるだけでも内臓に負担がかかりやすい状態です。
よく噛むようにしておくと、食べ物を小さくして唾液と混ぜた状態で胃に送れるので、消化の負担が軽減できます。
ただ、一口で30回噛むのはなかなか難しいのも現実です。
美味しさが半減して、何だか気持ち悪い感覚がする人もいると思います。
麺類など、のどごしが良いことが美味しさの1つである食べ物は、よく噛むと美味しくいただけなくなることも事実です。
「30回噛むぞ」と意識するよりも
「いつもより多めに噛もう。すぐ飲み込まないようしよう」
というくらいの意識でも充分ですので、毎日の食事で続けられるように取り組んでみましょう。
このページでは、自律神経が乱れると、血糖値がコントロールできなくなる理由についてお伝えしました。
では、なぜ自律神経が乱れてしまうのでしょうか。
次のページでは、自律神経が乱れる原因ついてお話ししていきます。
「自律神経の乱れと食事」