更新日:2017.06.14
執 筆:整体師 橋本静吾
「自律神経が乱れる原因はタンパク質不足」では、なぜタンパク質不足になるのか、タンパク質の必要量、タンパク質を多く含む食材などについてお伝えしました。
タンパク質不足になると自律神経が乱れ、体に様々な症状が現れることがあります。
では、どうやって自律神経の乱れを改善すれば良いでしょうか。
このレポートでは、自律神経の乱れの原因となるストレスと、自律神経の乱れを改善する食事法についてお伝えします。
タンパク質は体のいたるところで活用されていますが、神経伝達物質である「セロトニン」の主原料でもあります。
セロトニンには前述でも説明した通り精神を安定させ、過剰な興奮、不安、恐怖などを抑制させる役割があるため、体内のセロトニン量が不足すると精神的な不調、睡眠障害につながります。
セロトニン量を確保するためには、材料であるタンパク質の摂取は欠かせません。
また、睡眠を促すホルモンであるメラトニンはセロトニンを介して作られるため、タンパク質が不足すると最終的に睡眠の質が低下して、体や脳が休まらず、自律神経の不調につながり、胃腸の不調、食欲低下を起こしやすくなるため、食事でタンパク質を摂取することがさらに難しくなってしまいます。
すると筋肉量の低下から体温の低下、血流の低下、免疫力低下、治癒力低下と体のあらゆる機能が低下してしまい、どんどん不調への一途をたどってしまうわけです。
不調への一途をたどってしまう例
患者さんのお話を伺っていると、不調の多くは何らかのストレスが過剰になることで起こっています。
うまくいかない人間関係、多忙を極める仕事、プライベートでの心配事、体のゆがみなど、これらのストレスは精神的、構造的ストレスと呼ばれるものです。
多くの患者さんはこのストレス量が多すぎるため、何とかして負担の量を減らさなければなりません。
しかし、仕事や人間関係のストレスは簡単に取り除けないのが実情です。
一番問題のストレスが減らせなくても、それ以外のストレスを減らせれば自律神経が正常に働きやすくなります。
そこで注目するのが食事です。
食生活の見直しは個人でできることであり、毎日毎食できる体のケアです。
砂糖、カフェインを控えることに加えて、バランスの良い食事、特に肉類、魚介類、大豆製品などのタンパク質を意識した食材選びをするといいでしょう。
もちろん毎回完璧な食事を準備することはかなり大変です。
頑張って準備しすぎて、それがストレスになっては元も子もありません。
出来る範囲の努力をしてみましょう。
今まで適当に食事を済ませていた人であれば、少し栄養のことを気にするだけでいいです。
食事の摂り方、内容を変えたからといってすぐに不調が改善するわけではありませんが、考えずに食事をすればそれはストレスになり、考えて工夫した食事をすると体のケアになります。
小さな体のケアを続けることで、ストレスに耐えられる体を作ることにつながります。
一度自分の食生活を思い浮かべて、改善できそうな部分を見つけてみてはいかがでしょうか。
「自律神経の乱れと食事」