更新日:2019.06.30
執 筆:整体師 荒木晶子
人は精神的にストレスを感じる事により「嫌だなー」と感情が湧いてきて交感神経が働き体中の筋肉が緊張します。
特に、のどや口の周りの筋肉は「言いたいことを我慢する」ことで緊張します。
私たちは一般的に、怒りや不満や悲しみなどのネガティブな感情は出してはいけない、と教育されて育っています。
感情や欲望を我慢せずに本能のままに出していたら、社会での生活に支障が出てしまいますよね。
なので、上手に生きていく手段として我慢して社会に適応しているのです。
苦手な人に向かって「あんたなんて大嫌い!」と言ったり、失敗するたびに人目をはばからずに子供のように泣いたりできる人は、なかなかいないと思います。
このように感情を我慢して抑え込むことを心理学用語で「感情の抑圧」といいます。
感情はエネルギーなので本来は外に出す必要があるのですが、筋肉を硬くして抑圧することでたくさんのエネルギーを消費するので疲れてしまいます。
感情はある程度までは抑圧できても限界を超えると溢れ出して体に色々な症状として現れてきます。
それがのど周辺に出ると「のどの違和感」という症状になります。
そしてこの症状は、抑圧している感情や言いたいことを、大きな声を出しながら体を動かして表現することで、副交換神経が働き緩和していきます。
のどの周りが緊張すると、咽頭収縮筋などの筋肉が狭窄して締め付けられる感じや、息苦しさ、声の出にくさなどを感じるようになります。
そして、のどの内側の筋肉が収縮し触れ合うと、何か物が詰まっているかのような異物感を感じることもあります。
のどには食べ物や飲み物を飲み込んで、食道や胃に運ぶといった働きがあります。
のどとその先の食道の上部2/3は自分で動かせる筋肉で出来ていますが、その下の1/3は自律神経の迷走神経がコントロールしているので自分で動かすことができません。
なので、のどではスムーズに飲み込めても、食道の下部の動きが良くないと、みぞおちや胸のあたりに何かが詰まっているような症状が出ることもあります。
神経が誤作動を起こすことでも、様々な反応が現れます。
先ほど少しお話しましたが、神経の誤作動は交感神経の働き過ぎで起こります。
交感神経が働き過ぎることで、全身の血管が収縮して筋肉が緊張し、体のすみずみに酸素が行き届かなくなり酸素不足になります。
酸素は、神経が正常に活動するために必要なエネルギーです。
酸素が不足することで、のどを支配している神経(主に脳神経の舌咽神経や迷走神経)が誤作動を起こし、のど周辺の機能が低下します。
咽頭での反射が低下する場合、飲み込みづらさを感じたり誤嚥を引き起こしたりします。少しの刺激で咳反射を起こしむせ込んでしまったり、嘔吐反射により「おえっ」と嗚咽したりします。
声帯を動かす反回神経(迷走神経の一部)の機能が低下すると「話したいのに声が出ない」「声がかすれる」という症状が出る場合もあります。
自律神経の乱れにより安静時に気管が狭くなり「ヒューヒュー」と喘息のような息苦しさが出ることもあります。
また、唾液の分泌が少なくなり、のどが乾燥して飲み込みづらくなったり、細菌やウィルスに感染しやすくなったりして風邪をひきやすい方もいます。
「のどの違和感と自律神経」