更新日:2018.07.02
執 筆:整体師 荒木晶子
特に食べてはいけないものはありませんが、橋本病で甲状腺機能低下症になった人は、ヨードを含む食品を食べ過ぎるのはよくありません。
特に、昆布やわかめ等の海草類の食べ過ぎや、ヨードを使用したうがい薬の多用も注意が必要です。
また、キャベツやブロッコリー、カリフラワー等の野菜には、甲状腺ホルモンの合成を妨げるコイドロゲインという物質が含まれていますので食べ過ぎないようにします。
バセドウ病などの機能亢進症では、食べても食べても空腹感を感じることがありますが、こんな時こそ、バランスの良い食事を規則正しくとることが大切になります。
バセドウ病は、機能が亢進して心臓等に負担がかかる状態になっていますので、激しい運動は控えて安静にすることが大切です。
症状が落ち着くまではリラックスを心掛け、仕事もなるべく控えめにします。
スポーツは甲状腺ホルモンが正常に戻ってからがのぞましく、徐々にストレッチ、ラジオ体操、散歩などで体をならしていきます。
熱い湯での長時間の入浴も、体の負担になる場合がありますので、症状が落ち着くまではシャワー程度にすることが必要です。
症状が消えて病気が治ったと感じても、勝手に薬を止めてはいけません。
特に、橋本病の薬はとても良く効き効果も持続するため、治ったと勘違いしてしまう方がいますが、ここで薬を止めてはまた元の状態に戻ってしまいます。
甲状腺の薬を飲んでいる間に他の病気になり薬を飲むようになっても同様です。
甲状腺の薬はもともと体の中にある物質なので、他の薬との併用は基本的に問題になりません。
ただし、貧血の薬や胃薬の一部には、甲状腺ホルモン剤の吸収を抑える働きがあるので、服用の際は医師に相談してください。
甲状腺の病気が若い女性に多いのは、女性ホルモンに関係があるといわれています。
甲状腺ホルモンとエストロゲン(卵胞ホルモン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)の間には相互関連があり、互いにバランスをとっているのです。
女性が甲状腺の病気になったら妊娠・出産への不安がつきまといますが、ホルモンバランスが落ち着いていれば安全に妊娠・出産することができます。
ただし、甲状腺薬は胎盤を通過し、まれに胎児に影響がでるので妊娠初期の方は注意が必要です。
妊娠中はホルモンのコントロールが良くなるためバセドウ病の症状が軽減し、減薬できることもあります。
遺伝性に関しては、母親がバセドウ病の場合、胎盤を通じて胎児に甲状腺刺激ホルモン受容体抗体が届き「甲状腺機能亢進症(新生児バセドウ病)」の症状が出ることがありますが、通常は生後1~2ヶ月で治まります。
参考文献
「甲状腺の病気 ~バセドウ病と橋本病~」