2019年2月開催 心と体の勉強会 音声テキスト No.3
(参加者「痛くても負担は掛かってないんですか?」)
痛かったら他の問題が考えられるので切り分けないといけないです。
体重をかけて痛いというと、関節と関節がぎゅっと(押し合うように)なっていることが考えられます。
ここの関節面と関節面がきれいなら痛くありません。
凸凹していたら痛い可能性もあります。
(参加者「軟骨がすり減っている場合と同じことが考えられますか?」)
僕は、整形外科の言う事はあんまり信用してなくて、しびれも脊椎管狭窄症も、例えば、ガラスでバンとなってしびれが出たとします。
「椎間板がつぶれて髄核が飛び出してしびれる」と言われたと思いますけど、簡単にいうと椎間板はそんなことではつぶれません。
よほどの交通事故で一瞬でつぶれます。
(参加者「僕は加齢でつぶれたって言われました」)
加齢でつぶれてきたというのは、少しずつ浸食してきたってことです。
何らかの症状が出ている可能性があります。
「デルマトーム」というのが専門用語でありますが、ここがつぶれたらここしかしびれない(という様に、対応する部位が決まっているの)です。
神経は通っている場所が決まっています。
例えば、「(手の)親指のところだけがしびれた」というと、頚椎の6番と7番の間の神経根が刺激されている可能性があります。
でも、腕全体だとすると、6・7・8番の神経根が全部やられたことになります。
とすると、原因はそれだけではありません。たしかに、骨や神経根由来のしびれもあるかもしれないです。
ですが、ぶつかったことによって筋肉の緊張が起きて酸欠が起きて、その結果、しびれが起きている可能性もあります。
整形外科のお医者さんがそこまで見ているのかといいますと、残念ながらそういう(筋肉の酸欠などといった)勉強はされてないので、大体の整形外科さんはレントゲンを撮って「骨に異常はない」と言ったり、関節と関節の隙間を見ます。
軟骨は見えないです。レントゲンだと、軟骨は映りません。
(参加者「そうなのですか?」)
そうです!軟骨は映りません。
(参加者「レントゲン撮ったときに軟骨はすり減っていると言われます」)
言われますよね。それは、骨と骨の隙間から推測しています。レントゲン(で軟骨)は映りません。
本当に見るにはMRIをしないといけません。
だから、皆さんの話を聞いた感じだと、こういう症状です。(ホワイトボードの「重い痛み」を指す)
事故で神経根圧迫があってしびれたとしても、しびれを作った原因の一つかもしれませんが、大きなしびれ(の原因)としては「筋の緊張」があります。
首と膝は運動学的につながりません。
かばったりすることはあります。ぶつかったときに筋肉の緊張が首だけではなくいろんなところで起きます。痺れが出てきている可能性もあります。
その前に筋肉の緊張は無意識的なところがありませんでしたか?
もし緊張があるとすると、筋肉の緊張が元々あるので、衝撃を受けたことによって筋肉の緊張がより(強い)緊張になります。
その悪い状態が続くと自律神経にも負担がかかります。
なぜなら、痛みは脳に伝わります。痛くてリラックスする人ってあまりいませんよね。
痛いときは、「痛い!」って緊張します。
緊張すると脳が興奮してきます。
脳が興奮してくると自律神経が交感神経寄りになってしまいます。
だから、賛否両論ありますが、例えば睡眠導入剤とか痛み止めというのも、飲んでしっかりと休めば良いと思います。
ですが、多くの人は痛み止めを飲んだら動いてしまいます。
動くために痛み止めを飲んでしまいますが、痛い部分が悪いから痛いのに、動かしたら余計痛くなってしまいます。
痛いのが嫌だからと言って飲んで動かしてしまうと、悪くなっているのが分からなくなってしまいます。
体で起きていることはすべて良いことです。大事なことです。痛みも気持ち悪いことも大事なことです。
嫌ですが、体にとっては良いことです。体を休ませようとしています。
前回、11月にお話をしました「うつ」も、鬱にならなかったらその人がどうなったかというと、死んでいました。
簡単に言うと、エネルギー不足です。
エネルギーが不足して、「もうこれ以上あなた働けないよー。学校行ったら大変なことになるよー」ということで、やる気をなくさせます。
だから気力がないというのも、気力がない体なのでわざと気力をなくさせていきます。
気力のある体だったら気力が湧いちゃいます。
ストレスは人それぞれ違いますから一概には言えませんが、気力の出る体であれば、気力は出てくるし、落ち込む体であれは落ち込みます。うつになる体だったらうつになります。
そこで気力が上がることや、例えば痛みがあると、嫌なことを考えます。
「あれがあーなったらどうしよう。こうなったらどうしよう。明日の仕事がうまくいかなかったらどうしよう。」とか思います。
そういうことがあるのは痛みがあるからです。
もっと言うと、体に悪い情報が流れてくると心はそれに合わせて悪い方向に考えて準備をしようします。生き残る準備をします。
ストレスというのはさっきも言いましたように、命の危機です。
死んでしまうかもしれない、殺されるかもしれない、食べられるかもしれない。その為に悪い風に考えておくとすぐ逃げることができます。
いつもならチーターが10mまで近づいていても逃げられるインパラだとします。
でも、その日は体調が悪かった。そしたら10mだったらいつもより遅くしか走れないから食べられてしまうわけです。
そうすると20mのチーターに気づかないといけないです。
そうすると20m先の草が揺れてもチーターかもしれないと思います。これが「不安」です。
体調が悪いときには不安になって体を守ろうとしている。予備行動です。
先にするという事です。準備をさせるために。その悪い情報は痛いから、痛いと逃げようとなります。
だから少しでも体を良い状態にさせていくことが、先ほどの体のゆがみを戻していくことです。
では、ここで実験してみましょう。
立ってください。立って体の状態を悪い状態にします。
姿勢を悪くして呼吸を浅くしてください。
この状態で嫌なこと、ネガティブになることを考えましょう。
ものすごく嫌なことを10だとすると、今はどれくらい嫌な気分でしょうか?
では次は自分の姿勢を直してください。
まずは膝を軽く曲げます。
体を起こします。
顎を引きここ(首の後ろ)を伸ばします。
そして大きな呼吸をしてください。
そしてさっきと同じ嫌なことを考える。
足の裏を感じて。呼吸を大きくして。目線を上げて、力抜きます。
こういう状態でさっきのことを考えてください。
今度はいくつくらいですか?
さっきよりおそらく数字が下がったと思います。
下がってないと体が良い状態ではなかった。体が悪い状態だと嫌なことを考えます。
例えば眠れないとき、嫌なことを考えたりしまよねす。
「あーだったらどうしよう、こうだったらどうしよう」ということから「昔こんなことがあって」とかいろんなことを考えますよね。
それに対して心がネガティブになっていきますし、嫌な気分になってしまいます。
その時に体を正常にしてあげるわけです。
体を正常にしていくと正常な信号が脳に伝わります。
(膝を伸ばして立って)この状態が何故悪いかというと、ピーンと伸ばしてます、足を。
足を伸ばすっていうのは、「驚愕反射」という反射を起こしているのと一緒です。
膝が伸びている動物はどこにもいません。膝は曲げておくものです。
人間は二足歩行になったときに、膝をロックさせて立つっていうことを覚えてしまいました。
だけどこの状態というのは、動物達の驚愕反射(驚いて飛び上がるような反応)と同じです。
驚愕反射っていうことは驚愕する、つまり恐れるということです。びっくりして恐れる。
だから膝を曲げることは大事で、足の裏がとても大事です。
足の裏を感じながら膝を曲げる。
どなたかがさっき言っていた、「片足立ちが出来ない」。
(該当の参加者に対して)ちょっと立ってもらえます?膝を伸ばして普通に立って片足立ちして下さい。
(今は)こういう感じですね。(すぐにバランスが崩れてしまう。)
では僕の真似をしてください。
少し膝を曲げて、頭に手を持ってきてもらえます?
ポンポンと頭の皮膚を感じてみて下さいね。
そこを感じるのではなく、足の裏を感じてみて下さい。
手はおろして。(人差し指を出して)これを見て下さい。スーッと下に持っていきます。自分の意識を下に持っていきます。
次ちょっと触れますね。意識を下に持ってきてください。
膝を一回伸ばします。曲げるときに体が沈む感じを感じて下さい。
わかります?息を吸って上げて。吐いてふっと(沈む)。
この時に足の裏膝の上、太もも前のところも感じて。
体の安定が心の安定につながります。意識がちょっと上にいくので下にいかせます。
(参加者「心の不安定が体の不安定になっているんですか?」)
体の不安定が心の不安定になっています。今は体を安定させています。
意識を下に持っていきます。僕らの意識はいつも上に行ってしまいます。
頭ばかり使いますので。
では、その状態でもう一度片足立ちをしましょう。どんな感じですか?さっきと比べて?
(参加者「さっきより少し長く立てるかも」)
もう安定していますね。意識っていうのは上がってきてしまいます。
これは東洋医学的に「上気」といって、血液も意識もエネルギーも全部上の方にいきます。
上の方に行くと悪いことしか起きないですから。
なので、下にいくように、僕はいま目を下に行くようにしました。
彼女(参加者)はエネルギーが上の方に行く癖があります。
そうすると、(重心が)高くなるので安定できなくなります。だから意識を下に持っていきます。
太極拳のひとは、ほとんど膝が曲がっています。
ヨガや太極拳もそういう動きです。膝を曲げてしっかり安定した体をつくることで、安定した体をつくります。
そして、安定した姿勢をつくると、安定した姿勢の状態(という情報)が脳に行って脳が正常な脳になります。
悪いことを考えたら普通の(正常な)判断でネガティブになるかポジティブになります。
ものすごく嫌なことがあったのにポジティブにするのは無理です。
だけど、(正常な脳であれば)「昔起きたことは昔に起きたこと」ですが、昔起きたことでも今まさにストレスを感じているようになってしまうのは、体がそういう体になってしまっているからです。
(膝を曲げて姿勢を整えた)この状態でも、多少はいろんなところに体のゆがみがあるから、悪い情報がここから(脳に)入ってきてネガティブになってしまうこともあります。
まずは、体の状態を整える。整えるのに、最初にやらないといけないことは膝を曲げるっていうことです。
僕は基本的に膝を伸ばして歩いていません。普通に歩くとこんな感じでずっと膝が曲がっています。
膝を伸ばして立つことは、ほとんどないです。これが僕の普通の立ち方です。
こういうことが身についてくると体が安定していきます。
そうすると余計な不安が起きなくなります。
「2019年2月開催 心と体の勉強会 音声テキスト」