2019年2月開催 心と体の勉強会 音声テキスト No.2
筋肉の緊張は無意識ですが、筋肉の緊張が無意識的になってしまうシステムには、実は「心」が関係してきます。
動物には感情があります。たとえば、簡単な例でいうと「怒り」を感じます。
大人な方は、怒りを感じたとしてもすぐに出しません。そこで感情を抑えることをします。
専門用語で感情の「抑圧」と言います。
抑圧は感情を抑えることです。
怒った時を思い出してください。
怒ったときに相手が上司や近所の人、お母さんだったときに、どうやってその感情を止めましたか?
感情を抑えるときは、ぐっと筋肉を緊張させます。
なぜかというと、感情はエネルギーだからです。
怒るというのは、自分の身に危険が迫っている、あるいは危険な状態になってしまったときに、危険なものを排除するエネルギーなので、怒りという感情が湧いてくるのです。
怒りというのは悪いものじゃなくて自分を守るものです。もしくは、大切な人を守るために起こる大事な感情です。
人間社会では感情をそれほど出せません。それは、秩序というものがあるからです。
そうすると、怒りというものを抑え込みます。
抑え込むために必要なのが「筋肉の緊張」です。
無意識的な筋肉の緊張と言いますが、感情を抑え込んだときは必ず筋肉の緊張が起こっています。
それは、社会にとっては必要なものですが、過剰になると自分の身がやられてしまいます。
ここで「個」と「社会性」の対立が起きます。
社会で生きていくためには、当然感情は出さないほうが良いです。
泣きたくなったからといって泣く、怒りたくなったからといって怒っていては、人に信用されません。だから抑え込みます。
抑え込むときは必ず、筋肉が緊張しています。
筋肉が緊張しているので、先ほどお伝えした脳が興奮してきます。
「感情抑圧があるときは、必ず筋肉は緊張している」ということがポイントです。
抑圧をずっと続けると、その無意識的な筋肉の緊張がずっと起きている状態になります。
疲れるとエネルギーがなくなります。
筋肉に必要なエネルギーは糖質や酸素です。その糖質や酸素が行っていないと筋肉は少しずつ疲れてきます。
疲れてくると、イライラもしやすくなります。
筋肉の緊張が最大までいったら筋肉が緊張できませんので、感情を抑圧できなくなります。そのため、いきなりキレることがあります。
緊張の限界は、筋肉が緊張できないほど緊張してしまったという事です。
感情は外に出していく必要があります。ここが震えと関わるポイントです。
震えというのは、感情を出そうとして出さないということで起きています。
例えば、怒っている人がいます。我慢しないといけないときは、手に力を入れて震えます。
本当はどうしたいのかというと、手を出したくなります。
ですが、問題が起きるので引っ込めます。
出す→引っ込める→出す→引っ込めることをすると震えます。
抑圧し過ぎると震えが起きます。
登壇している人が震えているのは「僕は緊張している。でも緊張しているように見せないぞ!そんな感情出さないぞ!」とやっていると震えます。
人前で話すときに「私はとても緊張するの!だから、人と話すのは怖いの!」というように先に感情を外に出してしまうと、余計な感情抑圧をしなくて良いです。
上がり症の人は「私は上がり症です。」というのが、一番楽な方法です。
そうすると、余計な感情抑圧はしなくて済むので筋肉に余裕が生まれます。
筋肉に余裕が生まれると脳に余計な緊張がいかないので、冷静に色々と話をすることができます。
感情抑圧をしすぎると痙攣(けいれん)という症状も出てきます。
中には、寝ていると腕がぴくぴくしたり震えたりする患者さんがいます。
他にも、痙攣というのは冷えにもなります。
今お伝えしていることは、心と体の問題が起きて痙攣になることです。
痙攣というのはカリウムの不足、水分の不足、冷えでもなります。
寒いと震えますね?あれも痙攣です。
あれは筋肉を活動させて熱を産もうとしているのです。
体が必要としている痙攣と、心と体で起きている痙攣とはまた別です。
冷えが起きているのであれば温める。血流というのは体温も運んでいるので冷えというのは血流不足が起こっています。
血流不足は冷えでも起きます。そうすると血流の改善を最初にやる必要があります。
そこを感情抑圧していると思うのは間違いです。
どこに原因があるかを見極める必要があります。
感情抑圧で無意識的な筋肉の緊張が起こります。
無意識的な筋の緊張は人によって場所が違います。
体はゆがむことによって緊張度合いが増します。ゆがむほど緊張が強まります。
ゆがみは常に緊張しているので、さらに緊張しやすくなります。
そうすると、ゆがんで緊張しているところが、感情抑圧すると、もっと緊張するので更にゆがんできます。
ゆがみが酷くなると、体のシステムが正常に動きません。
筋肉には緊張の癖があります。その癖は体のゆがみとなって表れてきます。
まずは、体のゆがみを整えましょう。体のゆがみが脳を緊張させています。
ゆがみが脳にストレスを与えます。ストレスを与えると交感神経が緊張します。
体のゆがみと言いますが、多くは筋肉の緊張のバランスの悪さです。
骨は歪みません。骨を動かしているのはあくまでも筋肉です。
骨というのは、硬いもので、これを無理やり曲げれば骨折です。
例えばゆがみがあって骨を引っ張っている側の筋肉があります。
その引っ張っている反対側の筋肉の緊張とうまくバランスが取れていないと、ゆがむという事になります。
そのため、片方がゆがむと、それを補正しようとしてまたゆがみます。
筋肉の緊張とゆがみは感情抑圧が関係してきます。
筋肉の緊張は、外部からの刺激に対しての耐性というのがあります。
例えば、筋肉がある人は壁にぶつかっても大丈夫です。
ところが、細い筋肉のない人が壁にぶつかったら痛いです。むち打ちする可能性もあります。
それは刺激に対しての耐性がないからです。
耐性がないと、何が起きるかというと、歯のかみ合わせで例えます。
かみ合わせが悪くても筋肉の緊張があまりなければ許容できます。
歯を抜いたり、歯列矯正をしたり、あるいは、交通事故のむち打ちや、靴が合わなくて引きずることもですが、耐えきれる体であれば問題ないです。
歯医者さんの歯列矯正を受けて、後から痛みが出てきたのは、最初は耐えられたのかもしれません。
交通事故でも症状の出る人と出ない人がいます。
それは、乗っている場所によって力学的にどう関わるかにもよると思います。しかし、その話は置いておきます。
同じ刺激を受けたときに外的な刺激に耐えられる人は筋肉の緊張が正常な人です。
実は、筋肉の緊張というのは、「緩んでいれば良い」というわけではありません。
正常の緊張度があります。緩みすぎている方は麻痺です。
筋肉は少し緊張しているほうが良いです。しかし、緊張しすぎても良くないです。
筋肉の緊張度が正常であれば耐えられやすくなります。
その為、歯の問題を歯で解決するのも良いですが、それに耐えられる体にしていくということも一つの方法です。
先ほどの(参加者からの質問にあった)股関節も同じです。
股関節も変形性股関節症がありますが、変形性股関節症自体は血流不足で起きています。
そして軟骨は血液から栄養をあまり取っていません。
軟骨は関節液があり5-56(防錆・潤滑剤)みたいな液体が入っています。
軟骨は関節液から栄養を取り、軟骨が再生されます。栄養源は関節液です。
(参加者「軟骨は再生されますか?」)
再生の速度が血液と違ってゆっくりなんです。だから、どこまで再生されるのかは分かりません。
ですが、軟骨は関節液で再生を促しています。
どうすれば関節液がでるのか?その一つは動きです。
股関節や膝は荷重がかかりますので、痛かったら動かさないようにします。これがダメです。
動くことで関節液が出てくるような構造になっています。
それは、肩も肘も膝も足首も背骨も全部一緒です。
動くことによって、その刺激で関節液が出てきます。
関節液が出てくると関節はおいしいものが出てきたと、吸収しますので、動かさないとダメです。ただ、動かすと体重がかかるから痛いです。
なので、プールのウォーキングで浮力を使えば、股関節は動かしますが、浮力であんまり負担はかかりません。
(参加者「朝ラジオ体操をすると、足がつります」)
そのつることが悪いのかということが問題です。
これは人それぞれです。先ほどの股関節の話で言うと、動かしてつるというのは、動かしていた時に、その刺激にまだ慣れてないためです。
あと、大事にしすぎると、刺激が入ったときに筋肉がびっくりして痙攣をおこします。
その結果、つります。つると痛いです。ギュッと筋肉が緊張して縮むから、その時は、ゆっくり伸ばしてあげると良いです。
(例えば中殿筋がつったとすると)中殿筋という筋肉がここからここまで(おしりの側面)なので、つったときには股関節を内に寄せます。
そうなるとこの足が邪魔なのでこうなります。(つった足を前に出して交差させる)
この中殿筋は、二足歩行の人間が一番負担をかけるところです。
片足立ちは凄いです。ここの中殿筋が強く収縮しています。体重の4倍(負荷が)かかります。
私が70キロだとすると、この足をのぞいて70キロだとすると、280キロをこの筋肉が収縮させています。
それぐらい筋肉が縮むと言う事です。
(参加者「基本的にやりすぎず続けてやったほうがいいってことですか?」)
そうです。負荷がかかりすぎないようにすることです。
(参加者「動かす以外に何かできることはありますか?」)
ないです。動かさないといけないです。
膝の場合だと、足を浮かした状態で膝を曲げたり伸ばしたりしても動かしたことになるので関節液は出ています。
なので、関節にはあんまり負担が掛かってないです。
「2019年2月開催 心と体の勉強会 音声テキスト」