2019年2月開催 心と体の勉強会 音声テキスト No.4
不安はゼロにはならないです。
不安というのは自己防衛ですから、防衛するために備えておくのに、不安がない人は逆におかしい人です。
こんなこと言うとあれですけど、長嶋さんはポジティブ過ぎて、ちょっと変ですよね。
野球が凄いから良かったですが、凄くなければ大変だったと思います。
こんなこと言ったら失礼ですが、ちょっとユニークです。
鯖という文字を「魚偏にブルー」って言ったりします。
だから、超ポジティブと、プロ野球界で言われていました。
ファンが多いというのはポジティブだったからです。
ポジティブ過ぎるっていうのは普通の社会で生きていくのは大変ですから、ほどほどのポジティブ、ほどほどのネガティブである必要があります。
そこのバランスが重要で、不安をゼロにするっていうのはできません。
ただ、不安を限りなく少なくするっていうのは、体の状態を安定させるっていうことが重要です。
例えば、脊椎管狭窄症なども、手術したりすると、そこに瘢痕形成がされます。
ただ、そういうところも血流などが悪くなるけれど、いい姿勢にしていれば、そこに負担が少なくなります。
負担が少なくなれば、血流(の悪さ)とか、無駄な筋肉の緊張がなくなります。
このように、体の状態を良くしていくのがまず大事です。
自分でできることは膝を曲げることだけです。
(参加者「子どものときに『膝を伸ばして姿勢よく立ちなさい』とか言われて、ずっと膝を曲げちゃいけないと思っていました。」)
そうなんですよ。もう一つ、これがいい姿勢だと思われているんです。(背筋をピンと伸ばす)
この姿勢は、背中の筋肉を過剰に緊張させています。
そうするとこっち(胸側)は呼吸が入りやすいかもしれないですが、実は、呼吸するときは背中も膨らむんです。
この姿勢(背筋が伸びた姿勢)は、背中が膨らみません。
「腹式呼吸が良い」と言いますが、お腹も、腰も、胸も、背中も、全部呼吸が入ってまるで風船のように膨らむのがいい呼吸です。
(体が)歪むと、狭くなったところには空気が入らないです。これも筋の緊張です。
筋の緊張のバランスが良ければ、全体的に膨らみます。
そうすると沢山吸えるようになります。酸素が血流に乗りやすいです。
血流に乗っても、血液があんまり流れていなかったら仕方ないので、交感神経を沈めて、副交感神経(寄り)にします。
交感神経を沈めるやり方は、実は、「交感神経を上げること」なのです。
うちに来た患者さんは、まずは副交感神経の働きを良くするために治療します。
ストレスから離れて副交感神経を高めることによって、交感神経を抑制する。
これもすごく重要なことですが・・・
交感神経をさらに抑制するには、交感神経を1回上げる必要があります。
ここで体を動かすことや、声を大きく出すことが関係してきます。
ものすごく動いたら、嫌でも下に行く(神経が静まる)しかないです。
上に行ったら交感神経、下に行ったら副交感神経というグラフがあるとします。
ここで、交感神経が5上がったら、副交感神経も5しか下がらないです。
鬱というのはこういう人です。(1ずつ上下するような振れ幅の小さい波形を描く)
交感神経も働かないし副交感神経も働かない。だから動けないので眠れないです。
元気な人というのはこういう人です。(10ずつ上下するような振れ幅の大きい波形を描く)
交感神経が10なら、副交感神経も10働きます。
交感神経を働かせるのに必要なことは、「体を動かす」ことです。
筋肉の緊張は、緩ませれば良いというわけではありません。
柔らかければ良いというわけでもありません。
交感神経を緊張させるには、筋肉が緊張しないといけません。
なので、運動してくださいとなります。でも、ただ単に運動してくださいねという話ではないです。
運動するというのは、筋肉を緊張させて交感神経を上げることによって、そのあと副交感神経がたくさん働くようになることです。
副交感神経が働くことは交感神経が静まるということです。
交感神経が働かないということです。
交感神経が働かないということは、ストレスを感じていない(ときの体の)状態になれることです。
そのとき、体のゆがみが少なければなおさらいいです。
食事をしっかりして、体温が適正であればなおさらいいです。
(参加者「相手と闘うような運動がいいのですか?一人で黙々とするようなものが良いんですか?」)
もし怒りが溜まっていたら、ボクシングのようなものが良いです。
ここで重要なのが、体の動きに感情が合わさると、さらに交感神経が上がるということです。
ボクシングみたいなもので、憎い人を思い出して「コノヤロー!死ね!」とやると、交感神経がぐんと上がります。でも、ものすごく疲れます。
その後、「ふぅー」と静まって、「気が済んだ」という感じになります。
つまり、溜めていた怒りが外に出ることによって解消されます。
(参加者「爆笑するのも同じですよね?交感神経が上がって。」)
そうです。
今度は、副交感神経についてです。
特に男性。今日は男性たくさんいますけど、男性は「泣くな」と教育されています。
そうなると、泣こうとするのをブロックします。これも筋肉の緊張です。
男の人は、僕は今49歳ですけど、僕より上の人はだいたい泣くなと言われて教育されているので、眼輪筋(目の周りの筋肉)が緊張してきます。
ここを収縮させて、涙を出さないようにしているのです。
泣くというのは、実は、副交感神経系です。
女性は比較的泣きやすいですよね。泣けるのは、副交感神経に入れるということです。
泣いたらスッキリします。副交感神経が働けば、色々な修復作用が働いて、そのあとスッキリします。
(参加者「年を取って涙もろくなるっていうのは?」)
筋肉が緊張しきれなくなっているのです。
(参加者「もう衰えているっていうことですかね?」)
それもあれば、実はもうひとつあります。感受性が豊かになっているのです。
だんだん皆さんも、酸いも甘いも分かるようになってきて、色々な苦しい思いもして、それを乗り越えてきたと思います。
そういう感情があると、他の人のそういう感情に共感しやすくなります。
「あー俺もこういう時あった」「私もこういうときあった」などと、その頃の自分を思い出して涙を流したり、逆に「昔こういうやつがいた」と怒ったりします。
こういうことも、たくさんした方が良いです。
そうすると、副交感神経が働きやすくなったり、交感神経が働きやすくなったりします。
なので、ボクシングも憎い人がいたらやるといいです。
(参加者「運動するのが良いのは分かりましたけど、そこまでの体力がない場合は?」)
そういう時は、できる範囲でいいです。
ラジオ体操するけど股関節が本当に痛い。続けたけどうまくいかない。そしたら座ってやればいいです。
できる範囲での筋肉を動かすだけでいいです。そうすれば交感神経が高まるので。それぐらいでも大丈夫です。
簡単に言うと、地球上にいれば立つだけで運動です。重力がかかっていますので。
だけど、重力がかからなくなったら・・・認知症で危ないのは重力がかからなくなること、つまり寝たきりになることです。
これが、危ないです。動いているうちはまだいいです。重力がかかっていますから。
なぜかというと、脳と神経というのは、「酸素」と「栄養素」と「刺激」で活性化するのです。
重力から解き放たれると一瞬は楽ですが、脳と神経の活性化はどんどんしなくなります。
だから動かしたほうがいいのです。(認知症の)予防にもなります。
そして認知症でいま問題になっているのは、一般的な話ですが、認知症の男性がだんだんエロくなることです。
看護師さんに抱きついたりするのが問題になっています。
なぜかというと、認知症というのは、感情を抑圧する(大脳)新皮質がやられるのです。
(参加者「感情が表に出ちゃうのですね?」)
感情が表に出ます。
なので、逆に言うと、感情をなるべく出したほうがいいです。
どういうときに出せるか。老人は「昔話」が良いです。
昔話をすれば、昔の感情がよみがえってきて、感情が高まります。
悲しいときには泣いて、躍動的になるような話は楽しそうに話します。
お年寄りには記憶がいっぱいあるので、その記憶の中で交感神経を高めたり副交感神経を高めたりします。
(話を)聞くときもポイントがあります。「そのときにどんな気持ちだった?」とたずねます。
「私もあの山のぼったわね~」なんて話している時には、「あの山登ってどうだった?どんな気分だった?」って聞いてあげるといいです。
気持ちを聞いてあげるようなコミュニケーションをとってあげると、気持ちが出やすくなってきます。
そうすると、実はお年寄りも筋肉の緊張で抑圧した感情がありますので、それが出てきます。
「2019年2月開催 心と体の勉強会 音声テキスト」