匂いを嗅いで自律神経を落ち着かせる

更新日:2023.07.13

執 筆:整体師 飯島淳

匂いは、自律神経に大きな影響を与えることができます。
自分にとってどんな匂いが良いものなのかを考えてみましょう。

匂いで起こる反応

人間以外の動物は、匂いでコミュニケーションを取ることも多いです。
匂いでプライベートスペースを確保することだってあります。
生活していくうえで、匂いが欠かせないものになっているということです。

しかし、人間の情報は視覚に頼りすぎているので、嗅覚は鍛えられていません。

では、嗅覚はあまり使っていないのか?

そうではありません。
感覚器の中でも、嗅覚の受容体の数は非常に多いです。

視覚は、赤・青・緑・白黒の4種類の中での組み合わせ。 味覚は、うま味・甘味・塩味・酸味が各1種類で、苦味は25種類あるといわれます。

対して、嗅覚はなんと400種類ほどの受容体があり、圧倒的に多いことが分かります。
それだけ、いろいろな匂いを嗅ぎ分ける力が備わっているのです。

匂いは、鼻の中で感知されて脳に伝わっていきます。
匂いは、視覚や聴覚などよりも速く大脳辺縁系という感情・情動や記憶を司るところ届くのです。
ここでは、無意識レベルでの反応が起こります。
この経路により、匂いを嗅ぐと記憶内にある感情が揺さぶられるのです。

ある匂いを嗅いだ時に、昔の記憶とリンクして脳が反応する。
それが、癒しの反応であったり、リラックスの反応であったり、嬉しいときの感覚だったり。
記憶に入っている感情を引き出してくれるのです。

旅先の宿で、シャンプーの香りを「あれ?どこかで嗅いだことあるような・・」と感じるなど、楽しかった時と感情がリンクして自律神経が反応してくれることがあるでしょう。

この感情・情動により自律神経が反応します。
興奮なら交感神経の反応、癒しやリラックスなら副交感神経の反応が起こります。

すなわち、匂いは無意識のうちに自律神経を素早く反応させることが出来るのです。

感情・情動と匂いの組み合わせ

匂いと自律神経の繋がりは、お伝えしました。
感情や情動と匂いは、結びつきが強いのです。
この繋がりを生かし、匂いを使って自律神経を意図的に活性化させてみましょう。

以前リラックスした時のことを思い出してみましょう。
そこにどんな匂いがあったか。その匂いを思い出せたなら、リラックスしたい時にその匂いを嗅いでみましょう。

心穏やかになっていた時・楽しかった時・安心感を獲得した時など、記憶の中の匂いを思い出してみましょう。

一つの匂いでも、人により受け取り方は違います。
自分は心地よくても、ある人にとっては嫌な匂いとなることだってあります。

自分にとって良い匂いを見つけ出しましょう。
記憶の中から引っ張り出しましょう。今からでも作ってみましょう。

色々と嗅いで試して、リラックス出来そうな匂いを見つけ、その匂いをリラックスしたい時に使ってみましょう。

夜寝るときに、自分にとって心地よい匂いを嗅ぐのもいいでしょう。



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