更新日:2021.10.08
執 筆:整体師 飯島淳
私たちは、意識と無意識の両方で不安や恐怖を感じています。
意識的な不安や恐怖がある時は、そのことばかり考えてしまいます。
今回は、意識的な不安や恐怖を和らげるための方法をお話ししていきます。
不安や恐怖を和らげるのに必要なことは、そのことを考えないことです。
でも、そんなことは分かり切っているのです。
それでも、どうしても考えてしまう方が多くいます。
嫌な物を見る・聞く・匂うなど、以前の経験と同じ場面に遭遇した時、脳内で無意識に不安や恐怖が起こってしまいます。
無自覚のまま、不安と恐怖が高まります。
一方、意識的な不安や恐怖には、自分が考えているという自覚があります。
明日、あの人に会うのが嫌だな。
今日もまた、電車で気持ち悪くなったらどうしよう・・
このように、はっきりと意識しています。
脳の働きは、どこに自分の関心が向いているかで変わってきます。
不安について考えていると、脳の不安を感じる部位が活性化されてしまいます。
例えば、電車に乗るたびに、また気持ち悪くなったらどうしよう、と関心を向けていると、「気持ち悪くなるかも」という不安に脳は支配され、不安の働きが増してしまいます。
気持ち悪くなるという情報を探し続ける旅が始まってしまうのです。
また、不安や恐怖が突然起こることが耐えられない、と、これから起こる可能性のある不安や恐怖を想像してスタンバイしている人がいます。
例えば、ゴキブリが部屋にいるかも、という脳で過ごしているとします。
ゴキブリが出てきた時はびっくりはしますが、確かに少し想定内となります。
しかし、ゴキブリが実際に出てくるまでの時間、脳内はびくびくしながら過ごすので、ストレスはかかりっぱなしです。
このように、不安や恐怖に常に関心が向いていると、脳内はそのことで支配されて、自分で自分をストレス状態に持って行ってしまいます。
この状態だと、不安や恐怖を更に感じやすくなってしまいます。
何について考えているのか、関心を向けているのかで、脳の働きは大きく変わります。
きっと上手くいく、ということに関心を向けるようにすると、脳がそのことで支配されていき、不安な心は出にくくなります。
自らの関心を向ける方向は、いつでも変えられます。
意識的に関心を向けることで、感情の方向が変わります。
邪魔な思考が入ってきても、積極的に関心を向ける方向を変えるのです。
そのことで、脳内を支配しているものに変化を与えましょう。
心と体に関心を向ける方法をお伝えします。
心に向ける場合は、安心や希望や好きなことに関心を向けて下さい。
体に向ける場合は、姿勢の状態や心地良い音や匂い、風や呼吸に関心を向けて、体が今どうなっているのかを感じながら過ごしましょう。
関心を向ける時は、「今」に集中しましょう。
未来や過去でなく今です。
不安や恐怖から関心をそらして、脳を落ち着かせましょう。