更新日:2019.07.12
執 筆:整体師 齊藤佳穂
みなさんは、PMSという言葉を耳にしたことはありますか?
PMSとは「月経前症候群」と呼ばれ、月経の前後に起こる体や心の不調を指します。
その症状の重い方は「PMDD(月経前気分不快障害)」と呼ばれ、家庭や職場・プライベートなど、月経による不調で日常生活にまで支障をきたしています。
ある調査では、月経のある女性のうちおよそ70~80%の人が、月経前に不調を感じたことがあると言われています。
また近年、生涯出産人数が減少や初産の年齢が上がっていること、栄養状態が良くなり初潮の年齢が早まったことや閉経の年齢が遅くなったことなどで、昔と比べて月経のある期間が長くなっています。
すなわち、月経前の不調によって悩まされる期間も、昔の人に比べて長くなっているのです。
今回は、月経による不調で悩む女性の少しでも多くの方が、今よりもっと快適に過ごせるようPMS・PMDDの症状・原因・対策などをお伝えしていきます。
PMS・PMDDの症状は様々で、人によって現れる症状は異なります。
そのため、すべての症状を合わせると200以上にもなると言われています。
これらの症状は他の要因でも起こりますが、PMS・PMDDの場合は月経の3~10日前に現れ、月経が始まると軽減または消失するという特徴があります。
また、1つの症状のみが現れる方もいれば、一度に複数の症状が現れる方もいらっしゃいます。
そして、PMDDの方は同じ症状でも、日常に支障をきたすレベルでの不調になります。 そのため、ベッドから起き上がれない程の腹痛や自殺を考えるほどの気分の落ち込みなどが、毎月訪れる方もいます。
では、このような症状は、何故起こるのでしょうか。
PMS・PMDDの原因は様々なものがあると言われていますが、まだはっきりとしたことは解明されていません。
中でも大きく関わっているのが、
だと言われています。
下記で、詳しく説明していきます。
月経では子宮の筋肉を緊張させることで、いらなくなった子宮内膜をはがします。
しかし、普段から筋肉が緊張していると、子宮内膜をはがすときに必要以上に筋肉に力が入ってしまいます。
すると、過度な筋肉の緊張により腹痛や腰痛が引き起こされてしまいます。
血液の循環が滞ると、経血の排出が妨げられます。
すると、経血が排出するために、筋肉の緊張をさらに強めます。
そのため、先ほどの「過度な筋肉の緊張」と同様に、体の不調が起こります。
月経時は、「プロスタグランジン」というホルモンを出して、子宮を収縮させます。
ホルモンのバランスが乱れ、その分泌量が増えることで子宮の収縮が強くなり、痛みの原因になります。
また、月経前は女性ホルモンの「エストロゲン」が減少します。
すると、同時に幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」も減少するため、気分の落ち込みが起こると言われています。
元々セロトニンの量が少ない人は、月経前のセロトニン減少の影響を大きく受けるため、理由がないのに悲しくなったり、普段ならなんともない些細なことを重く受け止めてしまうなど、心の症状が現れると考えられます。
「PMS(月経前症候群)について」