PMS(月経前症候群)・PMDDの原因は自律神経!?

更新日:2019.07.12

執 筆:整体師 齊藤佳穂

自律神経とは

自律神経とは、名前の通り自律しており、自分の体を意識することなく自然に調節してくれている神経です。

簡単に説明すると、寝ているときの呼吸や心臓の動き、食べ物の消化など、自分で意識していないことは自律神経が行っています。
反対に、物を取ったり、手を動かしたり、自分で意思を持って動くことなどは、運動神経が行っています。

月経も自分で意識して起こしているものではないので、自律神経が大きく関わっています。

自律神経の働き

自律神経には「交感神経」という活動しているときに働く神経と、「副交感神経」という休むときに働く神経が存在します。
それぞれが同じ器官に対して多くが反対の役割を担っており、この2つがバランスよく働くことで体を正常な状態に保っています。

交感神経と副交感神経は、以下のように働きます。

場所 交感神経 副交感神経
瞳孔 拡大 縮小
唾液線 減少 増加
気管 広がる 狭まる
心臓 速まる 遅くなる
血管 細くなる 広がる
血圧 上昇 下降
胃腸 鈍くなる 活発になる
膀胱 排尿抑制 排尿促進

そして、このバランスが崩れることで、自律神経失調症と呼ばれるような体の不調が現れます。

PMS・PMDDと自律神経の関係

先ほどもお伝えしたように、PMS・PMDDは自律神経と密接に関わっています。

ストレスが多いことや忙しく過ごしていること、緊張する場面が多いと、交感神経の働きが強くなります。
すると、リラックスする副交感神経が働きづらくなることで、疲れた体を休ませたり、修復することが出来なくなってしまいます。

交感神経が働き過ぎてしまうと、筋肉が収縮(緊張)しやすくなることや、血管も収縮し、血液の流れが滞りやすくなります。
それによって、体の各部へ栄養が行き届かなくなり、ホルモンの分泌なども減少します。

また、自律神経の働きを調節している脳の視床下部は、様々なホルモン分泌の調整も行っています。
そのため、自律神経が乱れることで、視床下部の調節機能を乱し、ホルモン分泌にも影響を与えます。

そのため、自律神経のバランスが崩れることで、筋肉の収縮や血行不良、ホルモン分泌の乱れが起こり、月経前の不調が現れると考えられます。

自律神経の簡易チェック

また、月経が始まる時間を指標として、自律神経の働きを少しだけ推測することも出来ます。

みなさんの月経は、朝・昼・晩など、1日のいつごろ始まるでしょうか。
月経は筋肉を収縮させて子宮内膜をはがすため、通常は活動中の日中に始まります。
しかし、睡眠中も交感神経が働いていてリラックス出来ていないと、睡眠中に月経が始まる場合があります。

よって、睡眠中に月経が始まる方は、リラックスする副交感神経が十分に働いておらず、交感神経の働きが強くなっていると考えられます。

睡眠中に交感神経が働いている場合も、同じく交感神経の働く日中に月経が始まる場合もあるので確実とは言えませんが、参考にしてみてください。

「PMS(月経前症候群)について」

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