更新日:2021.08.20
執 筆:整体師 角道征史
前回、なぜ症状がすっきり改善しないのかということについてお話ししました。
なかなか良くなりきらない場合には、その背後に隠れている精神的なストレスを解消していくことが必要になります。
それではまず精神的なストレスの種類についてみていきましょう。
家庭や交友関係、学校や会社などにおける人間関係が原因になって生じるストレスです。
人間関係のストレスは、考え方の違いによって、相手の言動が自分の常識や期待するものと食い違うために生じてしまいます。
過去の体験によって生じてしまった考え方によって引き起こされるストレスです。
無駄に身構えて緊張してしまったり、考えても仕方のないことで不安になったり、こうあるべきという理想とかけ離れている自分や他人にストレスを感じてしまいます。
トラウマなど過去の体験によってダメージを受け、それを抑え込むことにエネルギーを浪費しています。
あまりにも精神的につらすぎるため、無意識に押し込まれて、忘却されていることも。
このトラウマ要素が大きい場合には、リソースがかなり奪われているために余力がなく、何かあるとすぐに調子が悪くなるというパターンに陥りやすくなります。
相手が自分の期待する通りの行動をしてくれないとストレスを感じますが、他人を変えることは難しいので、自分の捉え方を変えていく必要があります。
人間の性格は遺伝要素、親子関係、兄弟順位を中心に、その後の体験によって肉付けされ、形成されていきます。
つまり、親であれ、弟であれ、彼女であれ、旦那さんであれ、子どもであれ、自分とは全く異なる常識と思考を持っているということを認識する必要があります。
どれだけ親しかったとしても、自分とは違う考えや常識を持つ存在として相手を尊重することが大切です。そうすることで相手に過剰な期待をしなくなれば、無駄にストレスを感じる機会は減っていきます。
また、他人の問題に首を突っ込み、引き受けてはいけません。他人のことはその人本人の問題で、私の問題ではありません。余計な他人への干渉は、ストレスを増やすだけです。
人が育ってきた環境によって、多かれ少なかれ認知のゆがみは生じます。
完璧主義、すべき、どうせ、たいしたことない、ダメだ、笑われている、自分のせいで、などなど。
こうした自分の考え方が本当に正しいのか、立ち止まって考えることが大切です。
80%じゃダメなのか、しなくてもいいのでは、今度はうまくいくかも、本当に良かったのかも、良いところもあるのでは、楽しくて笑っているのかも、自分とは関係なくその人本人の問題では、などなど。
こうして原稿を書いていても、締め切りという時間制限があるので、100%完璧なものになることはありません。それを完璧なものにしようとすると、睡眠時間やプライベート時間を削ったりすることで、どこかにひずみが生じてしまいます。
そのときは良かったとしても、そんな生活では自律神経が乱れて、すぐに破綻してしまうのですね。
それ以外にも、子供のころから身構える、力の入る生活をしていると、リラックスできない体になっているので、力を抜くことも大切です。
トラウマがある場合は、カウンセリングやセッション、ワークなどを通じて自分自身と向き合い、解消していく必要があります。
精神的にかなりつらい出来事が背景にあることが多いので、十分な安全を確保してから向き合っていくことになります。
こうした精神的なストレスを解消していくことで、奪われているエネルギーを取り戻すと、かなり回復するので、本来の元気な自分に戻ることができます。
元気になって幸せな人生を楽しんでいきましょう。