症状の向こう側

更新日:2021.07.16

執 筆:整体師 角道征史

幸せホルモンが出るような行動が心地よさを感じさせ、それを求めて人は活動しています。

しかし実際には、幸せを充分に感じられるような生活ができている人はあまり多くはありません。
症状のつらさや日々の生活に追い立てられて、それどころではないという方も多くおられます。
また、自分が本当は何を求めているのか分からずに、漫然と流されて生きているという方も多いのではないでしょうか。

そうした状況を抜け出すことで、心から求める自分の幸せにたどり着くことができるのですね。
そのために必要なことについてみていきましょう。

症状の出るメカニズム

整体などに来られる方は、体の不調を治したいと考えて来院されます。

ケガや病気などの緊急性があるものではない痛みの場合、ストレスによって筋肉が固くなり、血流が阻害されることで酸欠になっています。
すると、血管拡張のために放出されるプロスタグランジンなどの疼痛物質が痛みを感じさせることで、自分にサインを送るのです。
ストレスが多いので対処してくださいと訴えるわけです。

痛みではない症状の場合も同様です。
特別な病気などを除くと、ストレスで筋肉が緊張し、血流が悪くなり、栄養不足に陥ることでガス欠となり、体の調節ができなくなって症状が出てしまいます。
その場合には、ストレスを減らすことで緊張を緩め、血流が改善されると良くなっていきます。
そのために整体や、腹式呼吸、運動などを行うわけです。

症状の出る本当の原因

ストレスが積み重なることで疲弊し、エネルギーが枯渇し、自律神経が乱れて調子が悪くなることはご理解いただけるかと思います。

こうした場合にはエネルギーをしっかり補給してあげれば、ちょっとやそっとでは調子を崩すことはありません。
にもかかわらず、1回良くなったのにすぐにまた再発してしまう、またはなかなか良くならない、そうした人がいる理由は一体何でしょうか?

疾病利得という言葉があります。
病気になることで自分にとってプラスになることがあるために、病気になってしまうというものです。
子どもが学校に行きたくなくて、頭が痛くなったり、お腹が痛くなったりするアレです。
これは仮病というわけではなく、実際に調子が悪くなるのですね。
それだけ無意識にはたらく自律神経が優秀だということです。

それと同様に、慢性的な疾患に悩まされている場合には、その症状によって何か自分にプラスになることがある、ということなのですね。

こんなにつらいのに、そんな馬鹿な話があるか!と思われるかもしれませんが、症状のつらさに目を向けると、自分の体験した心のつらさからは目を背けることができるようになります。
それだけつらかったということなのです。
そのつらさがあまりにも大きすぎるので、目を背けることで、または忘却してしまうことで、体を犠牲にして自分の心の平穏を保っているのです。
つまり症状を根治させるためには、そうした心のつらさを取り除いてあげることが必要なのですね。

目的の明確化

症状が改善したならば、その次には自分にとって最も大切なことは何なのかを認識することが必要です。
その認識がないと、目的のない生活になってしまうため、なんとなく毎日が過ぎて行ってしまいます。
ただ日々の生活に追われるのではなく、何が自分にとって最も大切なのか、何のために生きているのか、自分の中に中心となる核を据えておくことで、幸せを十二分に実感することができるようになるのですね。

体と心を元気にして、幸せを満喫していきましょう!


症状を改善させる運動や行動