うつ状態の時ほど自分を大切に

更新日:2019.08.02

執 筆:整体師 飯島淳

長く…とても長く続いた梅雨がやっと終わったであろうと想像しています。
(この文を書いた時には、まだ関東地方は梅雨明け発表していません)

30年振りぐらいの日照時間が短い日が続いた今年の長梅雨。
さすがに元気な人でも、何となく気分が上がらないという日があったことでしょう。
元々何かの症状をお持ちの方は、更にお体にとって辛い2ヶ月だったのではないでしょうか。


太陽の光を浴びていることで動き出すホルモン「セロトニン」というものがあります。
このホルモンによって、人は不安感がなくなり精神安定に繋がります。
やる気(意欲)なども上がっていきます。
日照時間の短かったこの長梅雨で、少なからず体に悪影響が起きていたものと考えられます。

セロトニンの分泌が少なくなることで、うつになりやすくなります。
うつ状態になると、意欲の低下が起こることがあります。

仕事上でやるべきこととは分かっているのに、なかなか取り組めない。
日常生活で、やった方が良いことは分かっているのに、どうも意欲が出ずに取りかかれない。
掃除をしようと思っていても、重い腰が上がらない。
なんてことが出てきます。


気持ちはあるが、実行するところまでは中々行かれない。
自分の心の中で葛藤が日々続く。

そして、周りからも言われる事もあるでしょう。
「早く、この仕事終わらせなさい」
「もっと家事をしっかりやってほしい」
「直ぐに、食器洗ってよ」

などと、あたかもサボっているかのような言い方で。
これは、周りの人も言葉選びに気を付けて欲しいところです。


しかし、見た目で骨折しているなら状態が把握出来ますが、うつ状態のように外見で分かりにくい場合、周りの対応がこのようになることがあります。

そのことで、さらに自分が本当にサボっているだけなんじゃないか…。
自分はダメだなぁ…。
このように思い違いをしてしまうことがあります。


うつ状態の時には、体と心が思うように上手く動いてくれません。
体と心は共に、本人にメッセージを送っているのです。

「エネルギーが無いから、今は動かないでね!」
「意欲を出したら、そのエネルギーを使うことで回復する為の力を奪ってしまうよ。だから今は意欲を出さないよ!」


ついつい周りから言われることに反応して、なんとかそこに対応出来るようにしようと無理やりやってみる人が多くいらっしゃいます。
気持ちは分かるが、勿体ないです。
回復するための機会を奪うことになってしまいます。

うつ状態の時に何よりも優先して欲しいのは、自分から湧いて出ているメッセージを受け取ること。
本当の声は、誰よりも分かっているはずなのです。


お辛い時こそ周りの声に耳を傾け過ぎず、自分の声を拾ってあげましょう。
体と心と両方からメッセージが出ているはずです。
反射的に動く前に、ゆっくり考えてから行動してみましょう。