更新日:2015.08.06
執 筆:整体師 鈴木能鷹
人の体には網目のように血管が張り巡らされ、血管の中には血液が流れていることは誰でも知っています。
ところが、血管の他にもう一つ管があって、その管の中には「血液でない液体」が流れていることは、あまり知られていないようです。
その管は「リンパ管」という、細くて、透明な管です。
リンパ管の中には、「リンパ液」と呼ばれる少し黄色味を帯びた透明な液体が絶えず流れています。
このリンパ液が流れる全体のしくみを「リンパ系」と呼びます。
血液の中から固体成分を除いた液体を「血漿(けっしょう)」といいますが、リンパ液は血漿とほぼ同じものです。
血漿が毛細血管から体の組織に染み出し、リンパ管に流れ込んだものをリンパ液というのです。
リンパ管には血管の様に血液を送り出す心臓(ポンプ)は無いので、筋肉の収縮と、逆流を防ぐ弁の働きにより、上へ上へと押し上げられながら流れていきます。
集まったリンパ液は、左右の鎖骨の下辺りにある「静脈角」と呼ばれる血管に注がれ、心臓、動脈を通って全身に送られます。
リンパ球とは、細血管の薄い壁を通り抜けた白血球の仲間で、リンパ液に混じって移動します。
リンパ球は、次の4つの能力を持っています。
リンパ節(腺)とは、リンパ球を生産、成熟させ、抗体の一部を作ったり、病原体を防いだりする所です。
リンパ節は主に頚部、腋窩部、そけい部の三か所にまとまっています。
大きさは大豆やそら豆ほどで、指を当ててくるくる回すと、皮膚の下にぐりぐりしたリンパ節を感じられるはずです。
病原体がリンパ管内に侵入して暴れまわっている場合は、腫れたり痛んだりすることがあります。
リンパ系は自律神経の影響を大きくうけます。
体がストレス過多の状態になるとリンパ液の流れが悪くなり、体内にウィルスや細菌などが入り込んでいても、素早くチェックしたり駆けつけたり することが出来ず、ウィルスや細菌に負けてしまいます。
つまり、リンパの流れが良くなれば、免疫システムがスムーズに働いて病気も治りやすくなるというわけです。