更新日:2015.07.07
執 筆:整体師 鈴木真由美
私達が普段、呼吸をするときに吸い込んでいる酸素が、身体にとって毒になることがあるのを知っていますか?
酸素の中で暮らしている限り、人間の身体は細胞が酸化方向に傾くストレスが常にあります。
今回は、そんな酸素と活性酸素のお話です。
私たちは、呼吸で得た酸素で、食物を燃やして働くエネルギーを作っています。
このエネルギー代謝はすべて「酵素」というたんぱく質が、身体の中にある電子を移動することで行っています。
エネルギー代謝は、最終的には水まで分解されるんですが、水に戻るまでの過程でどうしても「活性酸素」が作られてしまいます。
活性酸素とは、その名の通り「酸素より活性が高いもの」です。
悪者扱いされがちですが、細胞の外敵をやっつけてくれるので、身体にとってはある程度の量は不可欠です。
しかし、活性酸素が過剰にありすぎると、細胞に障害を与えます。
その障害のDNAが修復されない限り、障害は細胞から細胞へと受け継がれていき、がんや心臓病・動脈硬化など様々な病気を引き起こすことが明らかになっています。
もちろん、私たちの身体は活性酸素を抑える働きも持っていますし、SODやカタラーゼというような酵素、ビタミンA・C・Eなども抗酸化作用があります。
しかし、先にも述べたとおり、酸素によるエネルギー代謝などの体のシステム上の酸化ストレスは、避けられるものではないし、
なども酸化の原因になります。
このような要因で体内の活性酸素が過剰になった状態は「酸化ストレス状態」と呼ばれています。
酸化ストレス状態は、その時々の一時的な期間の量というよりも、長い期間でみたときの総和が重要です。
ですから、これを読んで「ほぉ~なるほどねぇ~」と思ってくれた皆さん、毎日何万回も呼吸している、その酸素にはそんな働きがあるんだというのを思い出してみてください。
体のシステム上、酸化ストレス以外の要因となるものは、普段の生活の中で気をつけられるものも含まれていますので、ちょっとずつ気付いてみて下さいね。
最後に、地球ができたころの酸素濃度は現在の1/10000だったらしいです。
そのあと、海中の植物などの光合成によって酸素を作り出して、酸素濃度を増やし、人間を含む生物は
単細胞から多細胞の生物に進化してきたのです。
自然の仕組みってすごい!!!
そんなことに感謝しながら呼吸してみると、いつもより新鮮な気分になれますね。