触れることの大切さ

更新日:2022.05.19

執 筆:整体師 角道征史

気候的にはだいぶ過ごしやすくなってきましたね。

今回はいつもと趣向を変えて、ストレス自体を減らすのではなく、ストレスを解消していくことについて見ていきましょう。

ストレスは必要

自律神経が乱れるもとになるからということで、ストレスを敵視する向きもありますが、私たちの生活にとって、ストレスはなくてはならないものです。

その理由として、第一には重力をはじめとしたストレスという刺激があることによって、それに耐えられるだけの力を身につけていくことができるからです。
たとえば、宇宙の無重力空間で生活すると、体がそれに慣れてしまい、地球での重力のある生活に耐えられなくなってしまいます。
頭や体を使わないと能力は伸びませんし、使っていないと、家や車も長持ちしません。
それと同じように、ストレスがないと、ストレスに耐えるための力が身につかないのですね。

第二に、ストレスという刺激があると、生活にメリハリが出て、楽しさが倍増するということです。
暑すぎるつらさを知っているからこそ、涼しさの幸福感を味わうことができるし、試練を乗り越えることで達成感を感じることができ、つらい体験をしたからこそ、普通でいられる幸せを実感できるのですね。

第三に、ストレスであることが同時に快感や幸福感をもたらす場合があるということです。
例を挙げると、カフェイン、アルコール、甘いものは基本的に有害です。つまり体にとってはストレスなのですね。
ところが、ストレスであると同時に、嗜好品としてドーパミンを分泌させ、幸福感を感じさせることができます。
またゲームなどに熱中して睡眠不足になったりした場合、ストレスであると同時に幸せを感じられることがあるということです。
ただそのあたりはストレスによる消耗と、幸福感のバランスの兼ね合いなので、そのときに合った対処をする必要があります。

触覚ストレス

ストレスが必要だと言っても、負担になることが多いとパンクしてしまいます。そこでとりわけ生命の危機を避けるために五感は発達しています。

なかでも触覚の場合は、熱い、冷たい、暑い、寒い、痛い、かゆい、くすぐったい、しびれる、ぞわっとするなどが、ストレス感覚になります。

熱ければ火傷するので細胞が壊れてしまいます。冷たければ凍傷になり、同様に細胞が死んでしまいます。暑ければ熱射病で脳が壊れてしまいますし、寒くても熱が奪われ、活動を停止してしまいます。

こうした不快なストレス感覚は、行き過ぎれば死に至る危険性があるので、そうならないよう危険を避けるために、不快な感覚を感じさせることでサインを出して、自分自身の生命を脅かすものを排除しようとしているのですね。
不快な触感覚は、なるべく遠ざけるようにしましょう。

触れること

不快な感覚とは異なる、気持ちの良い感覚が存在します。
以前お話ししましたが、触れることによってオキシトシンという幸せホルモンが分泌されるのですね。

これは、直接接触することによって効果的に分泌されます。
人とハグしたり、マッサージを受けたり、猫や犬をかわいがったりすることでオキシトシンが分泌され、幸せを感じることができるのですね。

これはただの心地よい感覚というだけではなく、癒しとなり、交感神経の興奮を抑え、ストレスを軽減してくれます。

感覚はストレスを感じさせ、危険を教えてくれるだけではありません。
気持ちよさ、心地よさによって幸福感を感じさせてくれます。
もし人や動物などとの触れ合いがなかったとしても、自分をハグしてあげるだけでも効果はあります。

感じることでしあわせな毎日にしていきましょう!