精神的ストレスは自分が作る

更新日:2021.12.17

執 筆:整体師 角道征史

お正月も近くなり、寒くなるだけでもストレス度はアップしてしまいますが、今回は体のストレスではなく、心のストレスについてのお話です。

精神的ストレスのはじまり

世の中のどんな事象も必要があるから起こっています。
ストレス反応も、生命維持のために必要があるから起こっているのです。

人間の進化の過程において、かつては常に生命の危機にさらされていました。
生命の危機によって精神的なストレスを感じ、緊張し、アドレナリンを分泌し、コルチゾールを生成し、血液をガンガン回しながらしっかり栄養補給をして、すぐに動ける臨戦態勢を作っていました。

のんびりしていては、外敵には襲われてしまうし、獲物には逃げられてしまいます。
生存戦略として必要があるからこそ精神的ストレスを感じるようになっていたのですね。

成長期のストレス

現代において人間が成長する過程では、生命の危機に直面することはほぼありませんが、社会生活というものをコミュニティの中で学びながら、自己形成をしていきます。

いろいろ思い通りにならないことで、ストレスを感じつつ、どうすれば上手くいくのかを学びながら、自分にとっての最適解を選択していきます。
そうして自分なりの成功パターンを築いていくわけです。

自分の作り出した行動パターンは、そうすることによって上手くいったという成功体験です。

ところが状況は刻一刻と変化しているので、過去のパターンが次回にも通用するとは限りません。
それどころか、むしろストレスを増大させる原因になっていたりするのですね。

現在のストレス

現在の自分は過去の体験をもとに形成されています。
そのため、それまで築き上げてきた自分の常識が、誰に対しても通用すると勘違いしてしまうのですね。

すると、他人の行動が自分の常識に当てはまらないことで、強くストレスを感じてしまうようになります。

男と女では脳の構造も遺伝情報も異なります。
育った国や地域など、コミュニティによって当然ながら常識は異なります。
家庭環境や兄弟順位によって役割や考え方は異なります。
このように、数多の要素によって、一人一人異なった価値観があり、正義があり、常識があるのですね。
たとえ親兄弟であっても、違う常識、価値観を持っているわけです。

そうした当たり前のことを無視して、相手を自分の常識に当てはめようとしてしまいます。

ところが、相手は自分と同じ常識を持っているわけではないので、自分の期待から外れる行動を取ってしまいます。
そしてそのことにストレスを感じてしまうのですね。

脱精神的ストレス

わたしたちが日常生活において感じる精神ストレスは、おもに家庭における人間関係か、社会における人間関係によって引き起こされます。
プライベートと学校や仕事などの社会生活。その人間関係が中心となってストレスが作られるのですね。

ただし、先述したとおり、人間関係のストレスは、自分の常識に相手をはめ込むことによって起こります。

つまり、相手が自分の期待に沿うことを必要以上に求めてしまうから生じてしまうわけです。

親子兄弟や、夫婦恋人、上司部下、友人同僚、先輩後輩などの関係があったとしても、相手は私の奴隷ではありません。
世界にたった一人の独立した尊い存在なのですね。

その相手を自分の常識に当てはめてコントロールする権利は、たとえ親であってもありませんし、そうした無駄なことに労力をつぎ込んでいるから、ストレスの泥沼にはまっているわけです。

もちろん、自分がこうして欲しいと思うことを伝えるのはいいと思います。
言わなくてもわかるだろう、なんてのはもってのほかです。

ただし、それをやるかどうかは相手の課題であり、そこで相手に自分の考えに従うことを強要するのは課題の侵略です。

相手を唯一無二の存在として尊重し、そういう常識を持っているんだなと受け止める。
余計なストレスとはさよならして、毎日楽しく元気に過ごしましょう!