あえて見ないようにする

更新日:2022.03.18

執 筆:整体師 角道征史

先週雪が降っていたかと思えば、今週は春の陽気。
暖かいかと思えば急に寒くなる。
三寒四温といいますが、急激な気温の変化が体にはこたえますね。

気温の変化だけでなく、花粉が飛散したり、日差しがきつくなってきたり、ストレスには事欠きません。

今回は視覚情報・光についてのお話です。

自律神経とストレス

自律神経は体の状態を維持するようにはたらいているので、変化が少なければ少ないほど、負担が少なくなります。

言い換えれば、寝る時間や食べる時間、環境などが変わると負担が増えます。

したがって、例えば寒暖差が大きいと調子が悪くなりやすくなります。
生理や妊娠、閉経などの、いつもとは違う負担がかかることでも、具合が悪くなりやすくなります。

変化が大きすぎることで自律神経に負担がかかり、気象病やPMS、産後うつ、更年期障害などの自律神経失調症になりやすくなるのですね。

また、変化と同様に刺激の量もストレスレベルに影響します。
暑すぎたり、寒すぎたり、まぶしすぎたり、疲れすぎたり、睡眠時間が短すぎたり・・・
許容範囲を越えればエネルギーを消耗するので、自律神経も乱れやすくなるのですね。

視覚情報のストレス

五感のなかで視覚情報の占める割合は8割以上と言われています。

また、メラビアンの法則でも、コミュニケーション上重視されるのは視覚情報で、その割合は55%となっています。

それだけ多くの情報を含み、非言語の情報を発信しているので、与える影響も大きいのですね。
情報が多いということは刺激が多いということ、つまりその分だけ受けるストレスも多くなります。

HSP(繊細さん)も、いろんなことに気が付きすぎて(目に入る情報が多すぎて)ストレスが過剰になってしまうパターンなのですね。

もともと目からの情報入力が多くのウエイトを占めているため、そのままだと容易にストレスオーバーになってしまいます。
そのため、セイフティネットとして、まぶたと瞳孔の収縮機能が備わっています。

耳を閉じることはできませんが、目は閉じることができます。
目から入ってくる情報量は多いので、意識的に制御できるようになっているのですね。

たとえば猫や子供が怒られるときに目をつぶるのも、余計な情報が入らないようにしてストレスを回避しているわけです。

光のストレス

強い光もまた容易に刺激過剰になるため、ストレスが増大します。

にもかかわらず、自律神経の機能が低下していると、瞳孔をしっかり収縮させておくことができなくなります。
そのため必要以上に光を取り込んでしまい、さらにまぶしく感じてしまうのですね。

そこでさらに消耗すると、視覚情報を脳に伝達できなくなったり、情報処理できなくなったりするので、頭が回らない、憶えられないという事態が起こってきます。

いわゆるうつの状態になるわけです。

自分を守るために、余計な情報を入力しないようにしているのですね。

目をつぶることで視覚情報が抑制されストレスが軽減するように、サングラスをすれば光のストレスも減ります。スマホやPCを見る頻度が減ってもストレスは減ります。

いろんなことにアンテナを張るのではなく、意識的に目をそむけることが必要な場合もあります。
あまり気を張り過ぎず、余計なことを気にしないようにして、心を軽くしておきたいものです。