更新日:2019.08.03
執 筆:整体師 橋本静吾
前回のページでお伝えした「4つのストレス」の合計が、その人の抱える総量となります。
あなたは、どの様なストレスがあったでしょうか。
この捉え方について、Aさんを例にして説明していきます。
ストレスの種類 | Aさんのストレス | 数値 |
---|---|---|
精神的 | 担任の先生が怖くて学校に行きたくない | 5 |
構造的 | 漫画を読むのが好きで、少し猫背気味 | 1 |
化学的 | 嫌いな食べ物が多い | 3 |
温度、湿度、気圧 | 冬は体の冷えが強い | 3 |
種類 | Aさんの ストレス |
数値 |
---|---|---|
精神的 | 担任の先生が怖くて 学校に行きたくない |
5 |
構造的 | 漫画を読むのが好きで、 少し猫背気味 |
1 |
化学的 | 嫌いな食べ物が多い | 3 |
温度 湿度 気圧 |
冬は体の冷えが強い | 3 |
厳密な数値ではありませんが、仮にストレスを数値化した際にAさんが抱える量はこの4つの合計である12になります。
この数値が高ければ高いほど不調になりやすいのですが、どのくらいで不調になるかは個人個人で全く違います。
もしAさんの耐えられる上限が20だとすると12は問題ありませんが、上限が10だった場合は体や気分に不調が出る状態です。
不調にならないためには、上限内の10以下に収める必要があります。
Aさんのような場合、数値の高い「学校に行きたくない」を何とかしなくてはと考える人が多いはずです。
しかし、大抵一番大きい負担はなかなか無くなることはありません。
学校や会社に行きたくないから辞めるなんて難しいですよね。
こういった際には、
種類 | 減らす取り組み |
---|---|
構造的 | 良い姿勢を心掛ける |
化学的 | バランスの良い食事をとる |
温度 湿度 気圧 |
体が温まるように 運動や入浴をする |
と言うように、1番大きい精神的以外のものが減るように取り組むことが重要です。
構造的、化学的、気温・湿度・気圧のそれぞれ1ずつでも減らせれば、総量は12から9になります。
上限内に収まれば、ストレスによる不調は解消しやすくなります。
減らす取り組みをする際には、大きいもの一点に集中せず、小さいものにも目を向けてみましょう。
極端な話をすると上限内であれば多少のストレスはあっても問題ありません。
逆に上限オーバーしている状態だと、些細な刺激でも強いストレスに感じてしまいます。
先ほど説明したように、耐えられる上限は人それぞれです。
この上限に深く関わっているのが【自律神経】という神経です。
これは働いたり遊んだり活動する際に働く「交感神経」と、眠ったり家でゆったり過ごす際に働く「副交感神経」という2つで成り立つ神経です。
こちらのページでも詳しく説明していますし、最近ではテレビ番組でもよく見かけるようになりました。
この2つの神経がどれだけ強く働けるかによって、耐えられる上限は変わります。
仕事や趣味・遊びを満喫し、夜ぐっすり眠れる方は、2つの神経が充分に働いているため上限が高く、健康的な方です。
仕事が忙しく家事や育児も大変で休む暇もない方は、副交感神経の働きが弱くなるためだんだん体のエネルギーが無くなってきます。
エネルギーがなくなると交感神経も働きが弱ってくるため、仕事や家事もはかどらなくなります。
この状態は上限が低下し始めている状態です。
どちらの神経も強く働けなくなった状態がうつ病です。
うつ病は自律神経の乱れから起こる病なのです。
自律神経の乱れによる不調で困っている方は「リラックスができてない=副交感神経が働けていない」というイメージはつきやすいと思いますが、実は交感神経の働きも徐々に弱くなるため、耐えられる上限が低くなっているのです。
ストレスに耐えるには、交感神経の働きが欠かせません。
またその交感神経が働くためのエネルギーは副交感神経の働きによって充電されます。
2つの神経が活性化すればするほど耐えられる上限は高くなります。
「ストレスのあれこれ」