女性の体調不良と自律神経

更新日:2015.07.04

執 筆:整体師 荒木晶子

女性の体調不良の原因を知って、快適に過ごしましょう

  • 生理痛
  • 生理不順
  • PMS(月経前症候群)
  • 更年期障害etc.

女性はこの言葉を聞くだけで、体が重たくなって来ますね(汗)
今回は女性治療家目線から、女性の体調不良と自律神経についてお話させていただきます。もちろん、男性の皆さんにも大切な情報なので、最後までお付き合いください。

そもそも、女性は出産することが前提ですので、男性より少々複雑です。
女性は、自律神経の指令の下、卵巣などで分泌されたホルモンが、定期的に分泌量を変えながら体と心に作用しています。この周期は基礎体温を測る事によって把握でき、生理、排卵、妊娠の目安にもなります。

女性の体調不良とホルモン

では、女性に深く関係するホルモンとはどんなものなのでしょうか?
それは、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」 という2つの女性ホルモンです。

「エストロゲン」は、女性らしい体をつくり、妊娠に備えて子宮内膜を厚くする働きがあります。
このホルモンは月経最終日辺りから排卵にかけて分泌され、体温が低くなります。
この時期は「卵胞期」と呼ばれ、体も心もお肌も安定しています

一方、「プロゲステロン」は体に水を蓄え、妊娠を助け、妊娠した状態を継続させる働きをします。排卵から次の月経にかけて分泌量が増え、体温が高くなります。
この時期は「黄体期」と呼ばれ、

  • 腹痛
  • 腰痛
  • 頭痛
  • むくみ
  • イライラ
  • 吹き出物

など、多くの不調が見られることがあります。
これらは「月経前症候群(PMS)」と呼ばれている状態です。

女性の体調不良と月経期

やっと「黄体期」が過ぎたら、今度は「月経期」が訪れて生理痛に…。
生理痛の原因は、

  • 骨盤周辺の歪み
  • 血行不良
  • 子宮の機能低下

など様々です。
月経血を押し出すために「プロスタグランジン」という発痛物質が分泌され、人によっては起き上がれないこともあります。
(異常な痛みや出血は、別の病気が潜んでいる可能性もありますので、一度専門家に診てもらうことをお勧めします。)

この月経周期は、閉経する頃まで続きます。
閉経が近づくと・・・卵巣の機能が徐々に低下し「更年期」になります。

そして、低下した卵巣の機能を高めようと興奮した脳が自律神経を乱すことによって、色々な症状が現れます。これが「更年期症状」です。
これが生活に支障をきたすほどになると「更年期障害」と診断されます。

女性の体調不良と更年期

では、これらの症状が重たい人と軽い人がいるのはなぜでしょう!?
キーポイントは、「ストレス」と「副腎皮質」です。

実は、女性ホルモンは、卵巣以外にも腎臓の上にある副腎皮質で生産されているのですが、他にも「抗ストレスホルモン」という重要なホルモンも分泌しています。

「抗ストレスホルモン」はストレスを感じた時に分泌されます。ストレスは生命の危機ですから「抗ストレスホルモン」は女性ホルモンより優先されてしまい、女性ホルモンを生産する余裕がなくなってしまいます。
そして、更にストレスが多いと副腎は疲れて機能が低下し、自律神経失調症のような症状が出てきます。

卵巣機能が低下している時期に、更に副腎機能も低下してしまうと・・・正に自律神経とホルモンバランスが乱れた状態に。
いかに、日頃のストレスケアが大切か分かりますね。

男性には月経周期がありませんが、男性ホルモンも副腎皮質でも生産されていますので、男性の体調不良や更年期も同様になってきます。
男女共に、ストレスの度合を再チェックして、少しでも快適に過ごしたいものですね!