更新日:2023.04.03
執 筆:整体師 角道征史
ようやく収束してきましたが、コロナ騒動はほんと長かったですね。
マスクをするのが当たり前の生活になり、息苦しさを訴えられる方もかなり多くおられました。
そこで、今回は呼吸について考えていきたいと思います。
息苦しさがクローズアップされて、血中酸素濃度を調べるパルスオキシメーターが注目を集めました。96~99%が正常値と言われていて、90%以下なら生命の危険があるという指標です。
ただ実際に計ってみると、息苦しいのに酸素濃度は正常値であるという方がほとんどでした。
酸素は足りているのに苦しい?一体どういうことなのでしょうか?
実は呼吸を苦しく感じるパターンは3つあります。
激しく体を動かしたときには、酸素が足りなくて、息が切れますね。
息苦しいのは酸素が足りないから、と考えてしまうのもこの体験があるからです。
無酸素運動をしたときや、病気などで酸素濃度が下がっている場合などがこれにあたります。
逆に過呼吸でパニック発作などを起こしている状態です。
水やその他の栄養素もそうですが、多く摂りすぎて良いことはありません。
酸素も多すぎると逆に取り込むことができなくなってしまいます。
ゆっくり呼吸したり、袋を使って呼吸をしたりすることで、酸素濃度が下がり、二酸化炭素濃度が上がることで楽になります。
横隔膜や肋間筋などの呼吸するための筋肉や、肋骨の周りに付着している腹直筋や大胸筋、僧帽筋や斜角筋などが緊張してしまっていることで、呼吸の動きが阻害されます。
そのためスムーズに呼吸することができずに、息苦しさを感じてしまいます。筋肉の緊張を緩めることによって、楽に呼吸ができるようになります。
このように苦しい状態であれば、対処することができますが、それ以外にも気を付けて欲しいことが1つあります。
それは現代のストレス社会に生きるわたしたちは、基本的に酸素過剰であるということです。
本来口は飲食物を摂取するための器官であり、鼻が呼吸をするための器官です。
にもかかわらず、3年にも及ぶコロナ生活で、常時マスクをするようになりました。
その結果、呼吸しづらいために、一度にたくさんの酸素を取り入れることのできる口呼吸が増えてしまったのですね。
そして酸素過剰を引き起こし、逆に酸素を細胞内に取り入れづらくなってしまいました。
細胞内に取り入れる酸素量が少なくなると、エネルギーを生み出しにくくなるため、ストレス耐性は下がってしまいます。
それで息苦しさの症状だけでなく、めまいや不眠、うつなどの症状が増えてしまったのですね。
腹式呼吸や深呼吸は自律神経を整えるだけでなく、酸素の過剰供給を抑えることで、しっかり酸素を使えるようにしてくれます。
それで効率よくエネルギーを貯めていくことができるのです。
さらに一歩進んで、日常生活でも口呼吸をやめて鼻呼吸中心にすることで、エネルギーを補給して、元気な自分を取り戻しましょう!