更新日:2019.08.13
執 筆:整体師 神田昌紀
自律神経は体だけでなく私たちの気持ちの変化にも対応するようになっています。
このページでは、心と体の繋がりをみていきます。
息苦しさを感じた時や呼吸が浅い感じの時、あなたはどんな気持ちでしょうか。
「このままじゃ息が出来なくなってしまう!」「やばい!」「ああなったらどうしよう!こうなったらどうしよう!」と、不安や焦りを感じた方は多いのではないでしょうか。
実際にこのような症状で病院へ行き精密検査を受け、何も異常が見当たらなければパニック発作と診断された方もいると思います。
ただ、これは体を危機的状況から自分の身を守るための闘争/逃走反応です。
この機能が誤作動を起こしているから起こるのです。
では、なぜ誤作動が起きてしまうのでしょうか?
抑圧とは、自分の感じた気持ちを抑えることを言います。
例えば、イライラしていてもその気持ちを抑えなければならない場面があるとします。
本当は怒鳴りたい、大声で叫びたいくらいの気持ちになったとしましょう。
このような場面で気持ちを抑えるとなると、大声を出さないようにぐっと息を潜める必要があります。
そして、大声を出さないようになるべく空気を吸わないように横隔膜を緊張させます。
また、声を出さないように喉を開かなくするので喉の筋肉の緊張により、喉の違和感や何かが詰まっている感覚になることもあります(ちなみにこのような人は声が小さくか細い声になる傾向があります)。
このように心で感じたことを表現せずに抑えていることが増えると、どんどん筋肉も緊張し続けてしまいます。
このように筋肉の緊張した状態が長い間続くとどうなるでしょうか。
結果からお伝えすると、感覚が鈍くなってきます。
ここで言う感覚には、2つの意味があります。
まず1つ目は体の感覚です。
熱さ寒さや緊張感、疲れなんかもそうですね。
実は緊張感は上記のように感情を抑えるために膨大なエネルギーを使っています。
2つ目は感情です。
例えば「胸が張り裂けてしまいそうな悲しみ」このような状況が長期間続くと、とても辛くなってしまいます。
そのために、体はその辛さから逃れるために悲しみに蓋をして感じないようにしようとします。
このように体と心の感覚を鈍く感じづらくすることで、ストレス状態から逃れようとします。
しかし、その時は良いですが結果的に積もり積もって体の辛い症状として現れるのです。
昔から「体言葉」と言われる気持ちを体で表現したものがあります。
例えば「顔から火が出る」これは顔が真っ赤になるほど恥ずかしい気持ちを表現しています。
また「目頭が熱くなる」これは感動して涙が出そうになることを言います。
これらは全て最初に体で感じ、そこから自分の気持ちに気付きます。
感情の始まりは、実は体の感覚です。
ですから息苦しさを感じている人は、その裏にまだ気付いていない感情の抑圧がある場合があります。
感覚が感じづらくなっている人の中には、疲れも感じず頑張り過ぎてしまう人がいます。
あなたは頑張り過ぎていませんか?
本当に自分自身を労わってあげることが出来ているのか、一度見直してみてはいかがでしょうか。
トラウマを持った人は、実際に経験した過度なストレスが過ぎ去っても、恐怖や不安を感じ日常生活を送るのに支障をきたしてしまう位の状態になることがあります。
このような人は特徴として次のようなことがあります。
これらは一部に過ぎませんが、自己防衛機能が過敏になり小さなストレスでも闘争/逃走反応が働くようになっています。
そのため、絶えずストレスに対処するためのストレスホルモンが分泌し続けることで、パニック・息苦しさになります。
このときは体が緊張しているので、この緊張を解かなければ体は苦しいままです。
そのため、この緊張を麻痺させるために何かに依存して苦しさを忘れようとする場合があります。
代表的なものだと、アルコール依存があります。
大量にお酒を飲むことで、脳を麻痺させます。
飲み始めは理性を司る新皮質が麻痺します。
それから心を司る辺縁系。次に生命維持の役割を持つ脳幹です。
さすがに脳幹が機能しなければ緊張もなくなりますが、これでは心臓も止まってしまい生きられなくなります。
そのため一見依存していると苦しさが紛れ楽に感じるかもしれませんが、実はとても危険なことなのです。
また、トラウマを経験された人は感情を言葉にすることが苦手な傾向があるので、最初は息苦しさや呼吸の浅い感じなど体の異常として感じます。
こちらのページでは、呼吸と心の大きな繋がりについて説明していきました。
このあとのページでは、呼吸の不調や息苦しさの改善方法についてお伝えしていきます。
「呼吸が浅い、息苦しさと心と体の繋がり」