更新日:2015.07.17
執 筆:整体師 森徹
あなたは無意識に「力が入っている」ことはありませんか?
あるいは、「力を抜く」ことが上手にできますか?
これらを知るテスト方法があります。早速試してみて下さい。
まず、水を入れたコップを用意して下さい。
コップを持ちあげて、ギュッと握ってみましょう。
この時、コップの重みをどのくらい感じますか?
その感覚を覚えておいて下さい。
次に、コップが落ちるか落ちないか、ギリギリのところまで力を抜いて持って下さい。
コップの重みを「ズシン」と感じませんか?
これが、水を飲むときに必要な最低限の力です。
これくらいの力でも持てるのです。
しかし、この時、力を抜いてもったつもりでも、肩に力が入っていたりしませんか?
持ってる腕の方の肩や反対の肩に、力が入っていないか確認してみて下さい。
実は、無意識に力が入っていると下記の状態になりやすくなります。
体に力が入る癖があると、その筋肉の緊張が脳に伝わり脳が興奮してしまいます。
すると自律神経の働きが乱れます。その結果、不眠やめまい、不安や疲労感などの症状が出るようになってしまうのです。
私たちは日々患者さんの体を診ていますが、「無意識に力が入っている」方の多くが、不眠やめまいなど様々な不快な症状をお持ちになっています。
筋肉の役割には、男性的な面と女性的な面の二面性が有ります。
男性的な面は、ご存知、力強く動かす「マッチョ」的なイメージの働きをします。
そして女性的な面は、筋肉の中で起きている変化をキャッチして体の中に受け入れる「センサー」のような働きをします。
先程のテストで重く感じたのは、筋肉の女性的なセンサーが働いた、ということになります。
このセンサーを働かせることが、繊細な無駄のない動きをするキーポイントです。
また「運動の質」を上げるにも、この二面性を上手く使うことにあります。
書道家は筆を決して強く握らず、優しく包むように持ちます。だから落ち着いた心で美しい線が描けると言います。
また、イチロー選手があれだけの成績を出しても怪我をしないのは、この二面性を持ってるからです。
運動がなかなか上達しない、運動をしているうちに痛みが出てきたなどということはありませんか?
もちろん、質や量の問題もありますが、基本的に「力み過ぎ」からくる場合が多いのです。
心と体は連動します。そして筋肉は素直に表現します。
体が凝ったり、固いなと思う方は、心も一緒にがんばり過ぎているのかも知れません。
特に、忙しくしていると余裕がなくなってしまい、感受性が鈍くなります。
余裕がないとセンサーは働くことができません。
一度立ち止まり、ポンっと力を抜いて自分の体の声を聞いてみてください。
「そんなにがんばらなくてもいいのに...」と言っているかも知れません。
無意識で力が入っている方は、まずはそのことを「意識する」必要があります。仕事や家事、その他のことに気を取られていると力が入ったままになりますので、紙などに「力を抜く」と書いて、目に付くところに貼ってみましょう。
例えば、付箋に書いてパソコン画面のふちに貼ったり、冷蔵庫や棚など、通りがかるところに貼ったりしてみて下さい。
そして、目が留まったらそこで体を止めて一呼吸します。その後、体に力が入っていないかを確認します。もちろん、力が入っているところがありましたら、力を抜いてください。
また、日ごろからストレッチ、呼吸法などを利用して、力が抜けやすい体を作るといいでしょう。
「力みを抜く」だけでも症状の改善の一歩につながります。
柔らかい体と心は、様々な体の問題を解決してくれるでしょう。
当院では、このような無意識に力が入りやすい方を対象とした、筋肉の緊張を緩める整体も行っています。これは筋肉をもみほぐすのではなく、神経の働きを正常化して力が抜けるようにしています。
力が入ってしまうことでお困りの方は、当院お気軽にご相談ください。