更新日:2020.08.07
執 筆:整体師 飯島淳
病院で検査をしても異常が見つからず、原因が分からない息苦しさでお困りの方が多くいます。
このような症状は、自律神経の乱れによって引き起こされるのです。
今回は、自律神経の乱れにより起こっている息苦しさについてお話していきます。
人は普段、無意識的に呼吸をしています。
寝ている時も、しっかり止まらずに行えている。
それとは反対で、ヨガをする時などは意識的に呼吸を行うでしょう。
呼吸は意識的・無意識的の両方で、吸う・吐くことをずっと続けています。
このとき使われる横隔膜や肋間筋は、運動神経による支配です。
これは、意識的に動かす神経支配になります。
また、この筋肉は無意識的に動く自律神経の支配も受けています。
自律神経の働きでは、吸う時には交感神経が優位に働き、吐く時には副交感神経が優位に働きます。
寝ている時や意識していない時には、この影響によってスムーズに呼吸しているのです。
では、なぜ自律神経の影響により息苦しさが出てくるのでしょうか。
ストレスによって交感神経が過剰に働いている場合は、吸う筋肉が働きやすくなり、逆に吐く筋肉は働きが低下してしまいます。
このようにストレスから自律神経の乱れが出ることで、呼吸する筋肉の働きに異常が現れます。
特にしっかりと吐けていないケースが多く見受けられます。
そして、知らないうちに息苦しさが発生するのです。
今まで何も考えず行えていた呼吸が、息苦しさを感じるまでになってしまう。
今度はそれがストレスとなり、どんどんストレスが増え、さらに息苦しくなるという悪循環に陥ってしまいます。
自然な呼吸は、呼吸筋である横隔膜や肋間筋がしっかり動いてくれることで出来ています。
この2つの筋肉は横紋筋と言い、意識的に動かせる筋肉です。
横隔膜と肋間筋が働くことで、胸とお腹を膨らます・縮ますことが行われます。
横隔膜の下には、胃や肝臓といった臓器があるため、臓器の影響によっても横隔膜は動かしにくくなってしまいます。
息苦しさが出ている場合、自律神経を整えることはとても重要です。
そして、この症状にすぐ自分でアプローチ可能なのは、呼吸筋を意識的に動かすことです。
この筋肉を動かすことにより、酸素がしっかり体の中に入り、自律神経が整いやすくなります。
では、呼吸筋を動かすにはどうしたらよいのでしょうか。
次に、具体的な方法をお伝えしていきます。
横隔膜を動かすには、まず腹式呼吸を使いましょう。
しかし、息苦しさがあると思い通りに動かせない場合があります。
その場合、仰向けになり、少し膝を立てた状態にして呼吸をしてみましょう。
これでも上手くいかない時には、横向きや立位など自分がやりやすい姿勢を探してみてください。
腹式はやめて胸式呼吸に変えてみるのも方法です。
この場合、肋間筋も多く使います。
吸う時にバンザイすると肋骨が開きやすくなり、より深く呼吸が出来るようになります。
また、背中を膨らませようとしてみるのも良いトレーニングでしょう。
肋間筋がしっかり働くためには、胸や背中の筋肉を緩ませることも必要です。
そのことで、肋骨と背骨との関節も動きが良くなります。
その他、大声を出すことや舌の運動、それから色々な音(声)を出してのどの筋肉群を働かせるもの効果的です。
息苦しさがある時は、呼吸筋を積極的に働かせましょう。
すると、呼吸がしやすくなり、自律神経の乱れも回復に向かう手立てとなります。