交感神経の働かせ方

更新日:2019.12.13

執 筆:整体師 佐藤優

交感神経とは

ストレスを感じたとき、あなたはどういう行動をしていますか?
闘うか?逃げるか?それともじっとして堪えるか。

私たちには、自律神経という神経が組み込まれています。

この自律神経は2種類あり、交感神経は「アクセル(闘争か逃走か)」、副交感神経は「ブレーキ(休息)」に例えられます。

交感神経は、脳で何かストレス(危機)と感じたとき、身を守るために体を準備させます。
筋肉に血液を集め、心拍と呼吸を速めて、いつでも動けるように準備していきます。
いつ闘っても逃げても良いように、エンジンをかけて体を準備しているんですね。

耐える・我慢が増えると...

しかし、そこで闘うことも逃げることもしなかったらどうなるでしょうか?
具体的には、堪える、我慢する、合わせる、という対処をしたときです。

すると、グッと堪えているということは「解決もしていない状況で緊張が続いていく」ということになります。

体は、闘うか逃げるか、という動き出す準備から、そのまま堪える緊張感を保っていくことになります。
筋肉は微妙な緊張をしている状況です。

  
  • 体の力が抜けない
  • 呼吸がしづらい
  • 頭が働かない
  • 胃腸の調子が悪い
  • 食いしばる などなど

この堪える系の対処は、交感神経を「微妙に」働かせる状態です。
闘う!逃げる!のような動いてエネルギーを発散させるという、使い方ではないんですね。

私たちは疲れたら休むというようにできています。
子供が遊びまわっていたかと思えば、車に乗った瞬間寝てしまったということがありますよね。

このように、交感神経が十分働くと、その後、休む神経の副交感神経も働きます。
堪える、我慢する、というのは、緊張状態を持続させて、警戒をし続けるということなので、交感神経が微妙に働き続けている状態です。

ポイントは動くこと

車もエンジンをかけてアイドリングしているだけでもガソリンは使われますよね。
人間も同じで、アイドリング状態が続いていると、気力体力心力はすり減ってしまいます。

交感神経は、「闘争か逃走か」と言われますが、闘うでもない、逃げるでもない、「堪え忍ぶ」という状態でも微妙に働きます。 
この堪え忍ぶ、という状態が、日常の社会生活場面において多くなっていると感じます。

時には、闘うのも良いし、その場から思い切り逃げるでも良いと思います。
うまく交感神経を使っていくと、その分副交感神経も働いて、「動く・休む」というサイクルが作られていきます。

体の力が抜けない方や、凝りや痛みが慢性的な方、「堪える」ということになっていないでしょうか?
時には体と心を一致させて、交感神経を思い切り働かせてみるとスッキリします。

叫びながら走ってもいいし、カラオケで踊りながら歌ってもいいし、私のようにサンドバッグに向かって発散してもいいんです。

このように、うまく交感神経を使うことで、自律神経のバランスが大きく変わってくるんですね。


自律神経