理性が強い=良いことばかりじゃない

更新日:2020.12.13

執 筆:整体師 橋本静吾

今年はコロナに振り回されたせいか、何もせずに師走を迎えてしまったような気がします。
そんな今年は多くの有名人が自殺という形で人生を終えてしまいました。
人柄も評判も良く、仕事も順調なあの人が何故…そう思った方も多いのではないでしょうか。
本当の理由は本人にしか知りえないことですが、有名人の自殺には「理性」が強すぎたことが要因の一つとして考えられます。

理性が強すぎると、心身に負荷がかかる

理性が強いと聞けば、我慢強く社会的に優秀そうに感じますが、体と心には大きな負荷がかかります。
理性は超自我とも呼ばれ、「~してはいけない」「~しなければならない」「~であるべき」こういった思考を指します。
芸能界で働く人たちは一般人以上にこうした思考を無意識で働かせていることが多いため、心労が増えてしまいがちです。

例えば「ファンに好かれることをしなければ」「スタッフに嫌われないようにしなきゃ」「おしどり夫婦でいなくちゃ」「いつもオシャレでいなければ」というように、人気商売であるがゆえにどうしても我慢ばかりになってしまうわけです。
そんなただでさえ我慢の日々に更にコロナによる活動自粛。
我慢から解放されたい感情が自殺という形になってしまったのかもしれません。

感情や衝動をだす場所を作ろう

理性は社会生活を送る上で最低限必要なものです。
なければ人から嫌われ、評価されず、仕事をすることも困難になります。
ただ、そうして抑えている感情や衝動もまた人が生きていく上で必要なものです。
怒ったり、泣いたり、悲しんだり、大喜びしたり、喧嘩したり、叫びたくなったりと、こんなことばかりしていたら変な人と思われそうですが、こうした表現ができている人の自律神経はとても健康的な状態です。
『自律神経=感情・衝動』と考えてもいいでしょう。
感情を抑えつけることは、自律神経の働きを抑えつけることにつながるのです。

理性を保ちつつ健康でいるためには、それを解除しても許される場所・時間・相手が必要です。

今年のヒットドラマ「半沢直樹」は正に理性と感情がむき出しの作品だったと私は思います。
社会人として世の中の理不尽に耐えつつ、剣道でうっぷんを発散して、最後は大声で相手を怒鳴り散らす!ドラマを見ただけでも気分がスッキリした人が多いはずです。
それはあなたの中にも大声を出して暴れたいという感情があるということです。


年末、年明けも自粛や我慢をせざる得ない状況が続きますが、感染症とは関係ない部分の心身の健康管理も大切です。
死ぬことはないから後回し…ではありません。心の問題は命にかかわります。

健療院では、悲しいこと、ムカつくこと、嬉しいこと、悩み、何を話していただいても大丈夫です。
もし話したいことがあれば感情あらわに担当の先生にぶつけてください。
感情を受け止めることは我々の使命であり、患者さんの症状を解消するための大切な施術の一つです。
理性が強い方はコロナ禍、特に注意しましょう。